今回は、少し実験を行います。皆さんは銅製の鍋が存在するのをご存じでしょうか?
銅はその加工のしやすさも相まって大変歴史は古く、日本でも銅器などという銅の器が西暦600年代から使われていると言われています。
銅の特徴はなんといってもその
熱伝導率の高さ
熱が伝わりやすいのでアッと言う間に加熱できちゃうんですね。熱伝導率は平たく言うと熱の伝わる速さの指標ですが、一般的に調理鍋などで使われる素材の熱伝導率を比べてみるとこの様になります。
【熱伝導率(W/m K)】
- 銅:398
- アルミニウム:236
- 鉄:91
- ステンレス:84
(※各種金属の配合量・純度によって正確には異なります)
この中では銅がトップです!アルミ製の鍋が熱が伝わりやすく日本では雪平鍋、イタリア料理だとパスタを作るのにアルミのフライパンが使われるのはご存じかと思います。熱が伝わりやすいので、加熱のスピードが速く、高い温度をキープできるんですね。
そのアルミニウムよりもはるかに上を行くのが、銅です。この数字の違い、ご存じでしたか?
イメージは理解できたのですが、
本当?
という疑問が湧いてきました。
よって、今回は銅・アルミニウム・テフロン加工・ステンレスの4種類の鍋を使用して、水が沸騰するまでの時間を比べてみます。
それではスタート!
「沸騰までの時間」実験方法
自宅にある形とサイズの近い4種類の鍋を使用して、室温と同じにした水(28℃)1リットルを100℃まで上げるのに必要な時間を比べます。誤差を考慮して、それぞれ2回実施しました。
火力はガスコンロの目盛りで合わせます。我が家のモノは一度調整したら同じ位置をキープする仕組みなので、テスト中ここは触りません。
火加減はこの写真の通り。鍋底全体に炎があたる、いわゆる”強火”です。
温度計を読んで、100℃に到達する迄の時間を計測します。
加熱中にお湯は時々攪拌して、全体を均一に保ちます。
4種類の鍋を同様にテストしました。
「沸騰までの時間」実験結果と考察
以上の様なテスト方法で、1リットル28℃の水を100℃まで上げるのに必要だった時間を比べると以下の様になりました。(鍋の重量(g)と口の広さ(cm)は加熱時間に影響を与える為、実測値を示しました)
この様に、とても面白い結果が得られました。
1つ言えること、
銅鍋すごい!
ずっしりと810gの重さがあるにも関わらず、明らかにその他の鍋よりも早く加熱が完了しました。これが銅鍋の実力なんですね。熱伝導率が大きいからでしょう。加熱時間が短いという事は、時短と省エネを意味しますね。ガスの使用量が減らせます。これは明らかなメリットですね。すごい。
アルミニウムはステンレス製よりも早いだろうと予想したんですが、2回確認しても、同じ時間となりました。やってみないと分からないものですね💦
おそらく金属の厚みと鍋底の広さに原因があると思います。薄ければ熱は伝わりやすいし、炎を受ける面が広ければ熱を逃しにくいでしょう。単なる材質だけではなく、これらも重要な要素だと考えます。
それからアルミニウムとテフロン加工鍋に差が無かった理由は、そもそも一般的なテフロン加工の鍋は、アルミニウムにテフロン加工がされているのですね。なので、テフロン加工と言いながら、この鍋はアルミニウム製でした。
いずれにしても、一番重い銅製の雪平鍋が一番加熱時間が短かったことは驚きです!
今回使用した銅製の雪平鍋
東京足立区梅田の老舗工房「中村銅器製作所」の雪平鍋です。「銅といえば中村銅器」といわれるほど、プロの調理人にも愛されるブランドです。銅製の卵焼き鍋は、テレビ番組でも紹介されていますね(家事やろう!!!、昼めし旅etc)。
この銅製鍋を1年間使用した感想をこちらにレポートしています。▶購入から1年!中村銅器製作所「雪平鍋18cm」使用感レビュー(口コミ・評判)
また、きちんと手入れをすれば一生ものの銅製鍋です。使い始めの煮沸洗浄の仕方はこちらに記事を書いていますのでご参照ください▶銅製「雪平鍋」使い始め煮沸洗浄&使い方&お手入れ
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まとめ
今回は、熱伝導率が高いことで知られる銅製の鍋が本当に加熱時間が短くて済むのかをテストしてみました。自宅での実験環境下、銅の雪平鍋は重量が重いにも関わらず、最も早く加熱できることが分かりました。ちょっと嬉しいです。
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