今回は、魚のアラを使う潮汁(すまし汁、吸い物)の作り方をご紹介します。美味しくて見た目も透き通って綺麗な潮汁にするにはちょっとしたコツがありますので、その辺りも説明していきますね。
潮汁を作るのに、どうしても生臭さが消せないんだ。どうすればいいの?
出来るだけ新鮮なアラを使ってね。臭みを除く調理のポイントは『塩』『霜降り』『ゴミ掃除』『アク取り』だよ。これから説明していくね。
汁が濁ってしまうんだけど、何かコツはあるの?
汁を強く沸騰させると身が暴れて濁りの原因になるんだ。プクプク優しく煮出すと良いよ。
出汁の風味が薄く感じるんだけど、どうしたら良いの?
魚の種類によっては出汁が出にくいものもあるよ。そんな時は、あまり悩まず顆粒出汁を使っちゃおう!味が複雑に美味しく仕上がるよ。
ありがとう!それが知りたかったんだ。
ご家庭で作る潮汁であれば、以上の事に気を付けるだけで、見違える美味しさになると思います。私も魚料理に興味を持ち始めた頃に悩んだ内容ですが、今は上手に作れる様になりました。私の経験の中から、ちょっとしたコツをご紹介して行きますね。
それではスタート!
魚アラの潮汁 材料(4人分)
- 魚のアラ(約250g)
- 水 1L
- 出汁昆布 10cm角
- 塩 適量
- 顆粒出汁
- 酒 大さじ2
- 薄口醤油 大さじ1
- (お好みで)味醂
ご家庭で作るケースであれば、特に魚アラと水の量の比率を気にする必要は無いと思います。仕上げに味を見ながら、調味料で味を調えれば良いので、難しく考える必要は無いでしょう。ぶっちゃけ顆粒出汁を使う覚悟もありますから(笑)
お好みなんですが、私の場合、味醂を入れるのが母の味。大さじ1か2程度だけ加えてみて下さい。ほんのり甘いスープに仕上がります。美味しいですよ。
(※厳密には塩、酒を調味料とするのが「潮汁」とされていますが、ここではすまし汁、お吸い物といったものも含めた魚のアラから出汁を取る透明スープを潮汁として紹介しています。ご了承ください。)
魚アラの潮汁 作り方
大前提として、魚のアラは出来るだけ新鮮なものを選んで下さい。
- 『塩の工程』魚のアラに満遍なく塩を振り、20~30分置く。この時ざるを使うのが良い。トレイだと魚のドリップが魚に付いてしまう。
- 『霜降り工程』沸騰したお湯に、魚のアラを5秒程度くぐらせ、冷水に取る。
- 『掃除工程』水で魚に付いたウロコや血合いなどのゴミを綺麗に掃除する。掃除しにくい場所は、竹串、爪楊枝、ブラシなどを使うと良い。
- 鍋に水・魚のアラ・出汁昆布・酒を入れ、中火に掛ける。沸騰する直前に、出汁昆布は取り出す。
- 沸騰したら火を弱火から中火にして約20分煮出す。
- 『アク取り工程』5.の途中である程度アクがまとまって出てきたら、取り除く
- 追加のお酒・薄口醤油・塩・顆粒出汁・味醂でお好みの味に調えたら出来上がり。
魚アラの潮汁 写真と解説
今回使用するのはアオダイのアラです。アオダイ自体は比較的珍しい魚ですが、そのアラからは良い出汁が出る事で知られています。【関連記事】高級魚『アオダイ』そのお味は?料理は刺身と炙り!
『塩の工程』。ざるに上げた魚のアラに満遍なく塩を振り掛けます。表面だけでなく全体に馴染ませるイメージです。塩の浸透圧で魚の身から水分と臭みの元を除く効果が期待できます。
ざるで行うのは魚のドリップが身に再付着しない様にする為です。この様にざるをボールの上に置く、でも良いですね。
『霜降り工程』。次にアラを霜降りにして、体表面の臭みを除くと共に、掃除をし易くして行きます。沸騰したお湯に、アラを約5秒くぐらせ、表面が白くなったら、冷水に取ってください。アラの量が多い場合は数回に分け、アラ同士がお湯の中でくっ付かない様にするのがポイントです。お湯が全体に行き渡っていないと臭みがとれませんから。
冷水に取ります(氷水である必要はないでしょう)。
『掃除工程』。掃除も地味な作業ですが、大切な工程です。顔などの体表面についているウロコを除きましょう。顔の裏など、内臓やエラ、血が残っていると臭みの原因になりますので、よく掃除して下さい。面倒な作業ですが、合言葉は、美味しくな~れ♪美味しくな~れ♪です。
背骨の下に血合いが通っていますが、これも臭みの原因、ブラシや爪楊枝の先で取り除きましょう。
という訳で、掃除が終わってサッパリしました🌟
鍋に魚のアラと水、お酒、出汁昆布を入れ、水の状態から加熱を始めます。中火です。
沸騰が始まる直前頃に昆布は取り除いて下さい。そのままにしておくと雑味とヌメリが出てしまいます。
穏やかに沸騰させながら、さらに20分加熱します。経験上、煮出す時間は15~20分で十分です。この間「穏やかに沸騰」がポイントです。強く沸騰させてしまうと、魚の身が崩れ、濁りが増してしまいます。
『アク取り工程』。ある程度まとまったアクが出てきたら、お玉で取り除きましょう。泡だけをキャッチするアク取りお玉が市販されていますが、潮汁の場合はオススメできません。泡だけを除くと、臭みが残ってしまいます。私はお玉をおススメします。
約20分が経過しました。
魚の潮汁では味見はマスト!適当な調味料では味が決まらないんですよ。味見をしつつ、味を調えて下さい。出汁の風味が足りない場合は、追加の顆粒だしアリだと思います!
今回は、昆布風味の顆粒出汁 小さじ1。
薄口醤油 大さじ1。
お酒 大さじ1を加えました。
器に盛り付けたら、アオダイの潮汁の完成です。如何ですか?濁りの少ないクリアなスープが出来上がりましたね💛
臭みなんて全く無いね。魚の出汁の香りが心地よいね。美味しい!
お餅と合わせるのも美味しいですよね。
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まとめ
今回は、魚のアラを使う潮汁(お吸い物)の作り方をご紹介しました。繊細な料理の為、どうしても魚の臭みが気になってしまいますが、臭い対策は下処理が鍵!下処理のポイント『塩』『霜降り』『ゴミ掃除』『アク取り』をマスター出来れば、美味しさは格段に上がります。食材(命)を大切に頂くのも魚のアラを使う意味と感じます。捨てることなく上手に活用しましょう。
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