今回は、東北地方でお馴染みの魚、エゾイソアイナメ(蝦夷磯鮎並)をご紹介します。
エゾイソアイナメなんて言われて、分かる人は少ないでしょう。では「どんこ」なら如何でしょうか?そうです。この魚は、標準和名よりも、この「どんこ」の名前で親しまれている魚です。
鮮度落ちの早い魚なので、昔から地産地消されてきたのだと思います。産地である三陸地方では、「どんこ汁」を代表とする名物料理も数多く存在する、とても人気の高い魚なのです。
私の住む関東だと、スーパーで見かけたことはありませんね。でも、寒い時期の魚市場に行けば、時々、お目に掛かれるんです。ほら。
今回はどんこ!真剣に向き合います。
どんこ(魚)の基本情報
標準和名:エゾイソアイナメ
科:チゴダラ科
生息域:(特に)東北地方太平洋沿岸
旬:冬
どんこ(魚)の豆知識
- 食べて評価が高いのは、どんこの肝。一度食べると病みつきになるとも言われる。
- 一見、深海魚の様にも見えるが、産卵期以外は水深100mまでの浅い海域に生息する。
- 三陸地方ではとても人気のある魚。どんこ汁、すまし汁、肝入りの様な名物料理で知られている。
- 鮮度の落ちやすい魚。産地では刺身も頂ける。
- 尾びれを左右にゆっくり動かす泳ぎは、他の魚に比べると遅いと言われる。
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どんこ 本日の個体
産地:岩手
体長:38cm(全長43cm)
体高:9cm
重さ:770g
価格:702円(1kgあたり900円)
可愛らしい下ヒゲ、大きなまん丸目玉が特徴ですね。
どんこ(魚)の調理
どんこ 津本式究極の血抜き
捌いたその日に食べてしまいますので、先ずはウロコを取ります。
血抜き処理は必須でありませんが、食べる予定の内臓の血抜きもしておきたいので、実施します。
①動脈切断
②尾側の背骨切断
③ノズル血抜き
④圧迫血抜き
魚体がしっかり張ったら、これでOK。浮袋が口から出てきたよ。
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どんこを捌く
エラを外し、腹を切ります。肛門の位置が、こんな上ですよ。めずらしいな。
分厚い胃袋と浮袋が特徴でしょうか。
きれいな卵と肝です。この肝(右)が皆を惹きつける逸品なんです。
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どんこの腹の中をキレイにしたら、頭を落とします。頭は「どんこ汁」で使いたいので、梨割りにします。左手はタオルを使い、滑らない様に頭をしっかり抑えると良いですね。
このどんこは大きいので、この位置で切ります。
尾側の身はぶつ切りにしました。頭と肝も合わせて、どんこ汁に使います。
頭側の身も、この様に切り分けました。
どんこ(魚)の料理
どんこ汁(味噌ベース)の作り方
それではメインの「どんこ汁」です。丁寧に処理していきます。
①塩を振り15分程度おく
②沸騰直前のお湯で湯通しする
③氷水に取る
④ウロコや血などの汚れを優しく落とす
はい。この様に、塩と湯通しの下処理が完了しました。
▼それでは野菜などの具材も準備しました。
今回、準備したのは次のもの。
- だし昆布
- 人参
- 大根
- 白菜
- まいたけ
- 長ねぎ
- 味噌
この他にも、ゴボウや豆腐などを使うのも良いですね。
▼下準備として、どんこの肝は、包丁で叩いて刻んでおきます。
それでは、作っていきますよ!
①水に昆布、どんこ頭、酒大さじ2を入れる。
②人参、大根、白菜の硬い部分を入れ、火にかける。
③沸騰する前に、昆布を取り出す。
④沸騰したら、灰汁を取る。5分くらい煮ていきます。
⑤次に、どんこの切り身、まいたけを入れ、また5分加熱。
⑥白菜の葉と長ネギを入れ、2分加熱。
⑦刻んだどんこの肝を入れる。
⑧最後に味噌を溶かす。
器に盛り付けたら、どんこ汁の出来上がり!
う~ん、体が温まる!どんこの出汁と肝のコク。最高に旨い!
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どんこの塩焼き
余った身で塩焼きを作ります。
どんこの切り身に塩をして15分程度おきます。
一旦塩を洗い流して、よく水気を拭き取り、塩焼き用の塩を振ります。あとはグリルで焼くだけです。
どんこの塩焼きの完成です。
身がフワフワ。クセも無くて、すごく美味しい。みんなが食べれる味だね。
どんこの卵(真子)と肝の塩焼き
好みの量の塩を振ったら、アルミホイルにのせて、トースターで焼いていきます。
それでは頂きます。
おお、肝はすごく美味しい。臭みも無く、クリアな味。たくさん食べれるタイプの肝です。
卵は、ちょっと臭みがありました。これは好き嫌いがありそうです。もちろん個体差もあるものと思われます。
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どんこのフライ
どんこの背側の切り身です。フライに合いそうな身なので、揚げてみましょう。
一口大に切った切り身に塩コショウをし、衣をまとわせます。
揚げる!
はい、どんこのフライの出来上がり。
予想どおりだ!ホクホクで美味しい!
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まとめ
今回は、三陸地方で親しまれる魚、「どんこ」をご紹介しました。白身は全くクセが無く、とても食べやすい。そして何より、肝はくせになる逸品。三陸の方に愛される理由が、よく分かりました。魚は、見た目で判断してはいけません。この「どんこ」がその代表とも言えそうです。機会があれば、是非お試しください。
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コメント一覧 (2件)
スゴイ。お店が出せるじゃないですか。
お魚は本当に土地によって並んでいる種類が違いますね。最近は冷凍技術や配送が進歩してそれほどでもなくなったみたいですが、関東から大阪へ移った時に見たこともない魚たちに驚きました。
レノンさん コメント有難う御座います。地方独特の食べ物はやっぱり醍醐味ですね。魚もその一つで、今回のドンコなんかも普段は中々食べない魚です。でも美味しくて驚きます。