今回は、夏のマイワシ(真鰯)を頂きます。
マイワシに夏のイメージはありますか?
年間を通して手に入る魚なので、旬のイメージが湧きづらいかもしれませんが、マイワシが美味しいのは夏です。「梅雨イワシ」という言葉があるくらい、暖かくなると美味しくなる魚なのです。
夏の太った新鮮なマイワシは、最高に脂がノッていて、刺身でも美味しいし、シンプルに塩焼きにするのも良いですね。
今日、市場に出向くと、産地は北海道で同じなのに、値段の違うマイワシがありました。
1500円/kg
と
1000円/kg
と1.5倍差です。さて味の違いはあるんでしょうか?今回は、この値段の違う2つのマイワシの味を比べてみます。
料理は次の2品としましょう。
- イワシのサラダ(湯煮の後、野菜に合わせる)
- イワシの刺身(塩をして少し寝かせる)
今回はマイワシ!真剣に向き合います。
本日の個体
No① マイワシ(値段高め)
産地:北海道
体長:21cm(全長25cm)
重さ:280g(2匹)
価格:420円(1kgあたり1500円)
No② マイワシ(値段お手頃)
産地:北海道
体長:19cm(全長22cm)
重さ:360g(3匹)
価格:360円(1kgあたり1000円)
簡単に比較してみましょう。
①が1500円/kgで②が1000円/kgのイワシです。
素人目に見て、外観の違いは大きさです。また、②1000円/kgのイワシの方が若干目が赤っぽいので、恐らく鮮度が少し落ちているのかもしれません。ただ、腹を割った内臓の状態はどちらも変わりませんでした。十分、刺身でいただける個体です。
大きいということは価値がありますね。歩留まり(食べられる身の量)が良くなるからです。極端な話をすると、同じ1kgで、「1匹」と「100匹」のイワシを想像してみて下さい。どちらが食べられる身の量が多いかというと「1匹」の場合と考えられます。頭や内臓を取り除くことを考えると、ロスが少ないのは「1匹」となるからです。(ピッタリ同じ形状の魚を同じ精度で捌けたら別ですが)
また、魚にはそれぞれの種類に美味しい大きさが存在します。イワシでいえば、一般的には、やはり大きいイワシが美味しいでしょう。
よって、主にはこの大きさと鮮度で、値段が決まっていると推測します。味はどうでしょうね。
マイワシのサラダ
マイワシを捌く
ちょっと変わった捌き方をご紹介します。
内蔵を取り出さなくても、捌ける方法があるんです。難易度は少し高めです。私もまだうまくできません。下の写真のように進めます。
- 頭を落とす
- 内臓を上手に避けて、背骨に沿って、身を下す(写真とは反対の身から始める方がやりやすいかも)
- 開く
- 開いた状態で裏返して、反対の身も同様に下す
そうするとこの様に、切り身(写真下)と内臓(写真上)に分かれるのです。内臓はまるでカプセルに包まれた状態となり、ぐちゃぐちゃ血まみれになることがないんです。上手く捌けば、腹骨もカプセル側に付くので、腹骨を削ぐ手間が省けるわけです。(もう少し、上手になりたい。。。)
この捌き方であれば、生ごみはイワシの頭と内臓カプセルになります。魚のゴミなのに、キレイです。
3尾を捌きました。値段の高い①マイワシ(1500)が1尾で真ん中。両サイドが②マイワシ(1000)となります。「湯煮」の準備で、両面に多めの塩を振りました。これで10分位置きましょう。
マイワシのサラダ
マイワシを「湯煮」してサラダを作ります。
▼「湯煮」とは何か?▼
「湯煮」にすることで、イワシの栄養と旨味を損なうことなく、加熱していきます。ポイントは、お湯を沸騰させないことです。身が柔らかいまま、美味しく頂けます。
サラダに使う野菜は何でもお好きなものでよいでしょう。今回使うのは、水菜・小ネギ・生姜・大葉・パプリカです。
パプリカは食べやすい様に熱を通します。
お酒を大さじ3程度加えた80℃位のお湯に、マイワシを入れ、2分程度加熱します。
加熱したら、ざるにあげ、これで準備OK。油を使わずに加熱できるからヘルシーです!
水菜・小ネギ・刻み大葉・刻み生姜は、あらかじめ合わせておきます。
お皿に、野菜を敷き
食べやすい大きさに切ったマイワシを載せる。
パプリカをトッピングしたら、マイワシのサラダの完成です。
お好みのドレッシングで頂きます。
イワシの味が濃くて美味しい!野菜がたくさん食べれるよ。
ちなみに、値段の違う①と②のマイワシの味の違いはありませんでした。
マイワシの刺身(食べ比べ)
マイワシの刺身は、塩をして数時間寝かせる方法を取ります。旨味が凝縮されて美味しく頂けます。是非、試してみて下さい。
また、値段の違う2種類のマイワシで刺身を作り、食べ比べて見ましょう。
①が1500円/kg
②が1000円/kg
それぞれを3枚に下し、腹骨をすきました。右下の様な、切り身になりました。
身の方に軽く塩をふります。
塩を振った身を下にして、吸水ペーパーの上に乗せます。これによって、塩の効果で出てくるドリップ(臭みの素)は、身に戻ることがありません。(キッチンペーパーでも可。)この状態で(ラップはせず)冷蔵庫に入れ、寝かせます。
使っている吸水シートは、この「フレッシュマスター」のロールです。少しお高いですが、魚料理には大活躍。臭みの素となるドリップを上手に逃してくれます。身にドリップが戻らないんです。
冷蔵庫に入れ4時間経過したものが、こちら。皮の表面は乾いています。
面倒ですが目立つ小骨は骨抜きで除きます。
次に皮を剥いでいきます。ご覧ください、この脂。テカテカしていますね。
どちらも皮を剥ぎました。両方とも脂がノッています。美味しそう。①が1500円/kgです。
刺身用に削ぎ切りにしていきます。包丁に脂がベットリ。
この様に盛り付けました。
①の1500円/kgの方が、血合いの赤色が若干鮮やかな様に見えます。したたる脂、分かりますか。
それでは、生姜醤油で頂きます。
うっ、うま~~~い!
塩をしたことで身は適度に締まり食感を残しています。脂のノリは最高で、旨すぎます。
①と②の違いはあるかな?
①(1500円/kg)の方が、ほんの少し脂が多く感じられるよ。
確かにそう。でも言われたら、そうかなぁと感じる程度で、①も②もどちらも遜色なく美味しい!
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まとめ
今回は、北海道産の夏のマイワシをサラダと刺身の2品で頂きました。夏の太った新鮮なマイワシは、間違いなしの「買い」ですよ。脂のノリは最高、味も濃くてとても美味しい!さらには、EPA, DHAといった体をキレイにする栄養素も豊富。しかも安いときたら、私には食べない理由が見つからない。最高の魚と言えるでしょう。
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コメント一覧 (2件)
はるのじんたさま
昔、釣りに凝っていた時期がありました。
釣りといっても、岸壁からのサビキですが、当たりの日には鯵や鰯がクーラーボックス一杯になるほど釣れました。
鱗がきついけれど、小さな鰯は手でさばけました。生で食べきれない分はつみれにして、鍋でいただきました。
釣りに行きたいけれど、この暑さではとても無理です。ガックリ。
まりさん様
釣り鯵や鰯が食べれるなんて羨ましいです。私は魚料理は好きだけど、釣りはしないんです。ご家庭用であれば、鰯は手開きが一番いいですね?捨てるところも少なくて済みますし。つみれ鍋、美味しそう!毎日暑いですがご自愛下さい。