鮎(アユ)の季節がやって来ました。私は毎年この季節に最低1度は鮎を頂いています。一口に鮎と言っても、この時期に魚市場に行けば、産地が異なる、よ~く見るとそれぞれに特徴がある鮎が並べられています。
いずれも清潔感・清涼感があり、その美しさに初夏の訪れを感じます。大好きな魚の1つです。そもそも川魚ってあまり鮮魚で売ってませんよね。
ところで、魚の天然 vs 養殖 比較はよくある話ですね。やっぱり天然の〇〇は違うとか、養殖は天然に劣るとか、そんな話です。
しかし養殖の技術って、私は凄いと思います。先日食べた長崎産の養殖 真鯛は、唸るほど美味しかった。その記事はコチラです⇒侮るなかれ養殖真鯛!提案レシピは鯛しゃぶ(刺身)&鯛飯おにぎり!
今日も驚きの出来事が御座いました(天然じゃなかった、というオチです)。鮎を買う前に、魚屋さんとこんな会話をしたんです。
私「これ綺麗な鮎ですね。天然モノですか?」
魚屋「そう、これ天然。で、あっちの箱、養殖ね。」
こんな、ありふれた会話。。。
天然の鮎なら食べたいなぁと思い、買ったのがこの写真の鮎。どうですか、キレイでしょ。木箱に納められていて、高級感もありました。(余談ですが、スーパーと魚市場で値段の開きが大きいと思う代表は、鮎ですね。スーパーのものは高いものが多い。)
「紀州うめぇ鮎」か、面白いネーミング。鮎の体には天然物の特徴と記憶していた黄色の斑紋(追い星)がしっかり出ていたし、そもそも魚屋が言うから天然の部分は疑う余地はない。
そして持ち帰った鮎は、贅沢に「土鍋を使った鮎飯」で頂きました。鮎の独特の香りもしっかりしていて、とても美味しかった。大満足。そして思う。こんな美味しい鮎って、どんな鮎なんだろう?
「紀州うめぇ鮎」。検索でヒットしたのは、和歌山県の水産会社(有限会社酒井水産)。そしてこのブランド「紀州うめぇ鮎」は何と、ここで生産された養殖鮎!
まっ、まじか。たっ、確かにうめぇ鮎!
今回はうめぇ鮎!真剣に向き合います!
基本情報
標準和名:アユ
科:アユ科
生息域:北海道西部以南から南九州
旬:夏
マメ知識
- 鮎は1年しか生きない「年魚」。秋に河口で産まれ、冬は海で越す。春に川を上り成魚となり、夏に下流に戻り産卵して、一生を終える。
- 成魚になると川苔だけを食する。これが独特なスイカやキュウリに似た香りの元となっている。この為、別名「香魚」とも呼ばれる。
- アユの腹ワタを塩漬けにした珍味を「ウルカ」と呼び、人気が高い。【関連記事】魚の内臓を使った珍味に何がある?(魚卵などの名産は?)
本日の個体
産地:和歌山県
体長:18cm(全長21cm)
重さ:110g × 4匹
価格:220円 × 4匹(1kgあたり2000円)
体の表面がヌルヌルしています。鮎の場合、このヌメリは鮮度が高い証拠です。一方、このヌメリは苦みになりますので、調理の際はよく取り除きましょう。
鮎飯の作り方
鮎飯の材料(4人分)
- 鮎 2~4尾(お好みの数で良い)
- 米 2合
- 人参 数cm(お好みで。ウチは子供が食べやすい様に入れます)
- 大葉 4、5枚
- ☆水2カップ
- ☆昆布 数cm
- ☆醤油 大さじ2
- ☆味醂 大さじ1
- ☆酒 大さじ2
- ☆塩 少々
鮎飯の作り方
- ☆の材料で出汁を作る。表面を拭いた昆布を水から加熱し、沸騰直前に取り出す。その他の調味料を入れ味を調える。お好みで、微調整。
- 鮎はヌメリを取っておく。内臓の苦みを好まない場合は、エラと一緒に取り除く。我が家流は、美味しい内臓だけを使う。
- 鮎は塩をしてグリルで表面に焼き目が付く程度に焼く。
- 土鍋に洗った米を入れ、出汁を2カップ分注ぐ(足りない場合は、水か酒を追加)。
- 人参、内臓と鮎を米の上に乗せ火にかける。
- 最初は沸騰するまで強火。沸騰したら中火にして5分。その後弱火で10~15分。火を止めて、10分くらい蒸らす。
- 鮎の身を解して、骨やヒレを覗いたら、土鍋に戻し入れ、ご飯とかき混ぜる。
写真と解説
出汁を作ります。昆布は沸騰する前に取り出すのが良いですが、個人的にはあまり気にする必要はないと思っています。【関連記事】だし昆布【煮すぎると雑味が出る?】試してみた
☆の調味料で味を調えました。味見をしてみて、加減してください。
我が家はまだ子供が小さいので、苦みを極力除くために、内臓の処理をします。先ずはエラを取ります。
お腹を切って内臓を取り出し、腹の中はキレイに水洗いします。
とは言っても内臓は美味しいので、私は美味しい(苦みが少ない)内臓は、分けておき、使います。写真の右が、使う内臓です。具体的には、真子(卵)・白子・肝・内臓脂肪は、苦みが少なく、子供も食べれる。
鮎は、塩をして表面に色が付く程度にグリルで焼きます(両面)。焼くことで、鯛飯にした時に、香ばしく頂けます。また、臭みを除く意味もあります。
米2合に、出汁2カップを注ぐ。
米の上に、人参・内臓・鮎を乗せて蓋をする。
蓋をしたら、強火で沸騰。中火で5分。弱火で10~15分。その後、蓋を開けずに5~10分蒸らす。
はい。いい感じ。
鮎の骨やヒレなどの硬い部分は除きましょう。身は、土鍋に戻します。
鮎を戻したら、全体を混ぜ合わせます。
刻み大葉を乗せたら、鮎飯の完成です。
<実食>
あぁ、旨い!これは香りを楽しむ為の料理ですよ。鮎独特の植物性の香りと、表面を焼いた香ばしい香り。出汁の香りに、大葉の香り。これらがグルグルとミキシングしながらも、一体となる必要を拒否する様に、鼻を抜けていくんです。この濃淡の心地よさです。旨すぎる。
=スポンサーリンク=
まとめ
今回は、旬の鮎を使う『土鍋で作る鮎飯』をご紹介しました。その中で、子供が食べやすい様に、人参を使ったり、苦い内臓を分ける工夫も凝らしました。鮎の醍醐味はその香りでしょう。鮎飯でもその香りが十分に楽しめます。一度焼いた鮎を合わせることで、その香ばしさも鮎の素質としてプラスされます。これから旬を迎える鮎。定番の塩焼きも良いですが、鮎飯もいかがでしょうか。きっと夏を乗り越えられるはずです。
こちらの記事もいかがですか?
コメントお願いします(※は必須項目)