元漁師、元水産庁官僚、教授と異色の経歴を放つ上田勝彦さん。魚食文化の復活に向け、献身的に活動されています。講演を行いながら、実演を交えて、人に会って人に伝えるという活動には頭が下がります。魚好きの私の様な庶民からすれば、神の様な存在です。
▼上田勝彦さんの代表的な料理本
その上田勝彦さんが本日のテレビ番組でベタッとしないアジフライの作り方を紹介されていました。カラッと揚がる、旨味を損なわない、栄養も損なわない、揚げ油も少量で済むという一石四鳥の方法でした。まさに目からウロコ。
キーワードは、フライなのに卵を使わない!
今回はその作り方の紹介に加えて、実際に『卵あり』と『卵なし』を作って、食べ比べてみましたので、レポートします。
ウエカツ流 サクサクアジフライの作り方
アジフライの材料
- アジ
- 小麦粉
- パン粉
- 揚げ油
アジフライの作り方
- アジをフライ用におろす。3枚おろしでOK。
- 水に小麦粉を溶く←これだけです。卵を使わないバッター液のイメージ!
- この小麦粉の液にアジをくぐらせ
- パン粉をまぶす(この時、軽く押さえつける)
- フライパンに2cmくらいの深さで油を温める(170℃位)
- 皮目を上にして1分30秒揚げる
- 裏返して30秒揚げる
これで出来上がり♬
サクサクアジフライのポイント!
- サクサクの為には、卵を使わない! 卵はその性質から、揚げた後に水分を放出する。これがフライをシットリさせる原因になってしまうから。
- 揚げ油の高さは2cmとする! 旨味や栄養分の多くある魚の皮の近くを揚げ過ぎない様にしたいから。
- 揚げ時間は、片面1分30秒(皮目が上)。裏返しにして30秒(皮目が下)。これにより、皮目が油で加熱されている時間を30秒と短かくできる!
この番組を見ていると、下味に塩コショウしないんだぁと不思議に思いましたが、その理由は最後に分かりました。上田さんのオススメの食べ方は、辛子醤油で食べること。なるほど!うまそう!
サクサクアジフライの実践レビュー
今日は長崎産の良いアジが手に入りましたので、この【卵不使用】サクサク アジフライを実際に作ってみます!
また違いを分かりやすくするために、『卵あり』『卵なし』で比べていきましょう。
今回のアジ紹介
- 長崎産 4尾
- 平均25cm 計700g 計1080円( 1kgあたり1540円)
サクサクアジフライを作る(写真と解説)
- 先ずはアジを三枚におろす。
- 塩を振って10分ほどおき、水気をキッチンペーパーで拭く。ここで塩コショウで下味を付けないのは、出来上がりを「からし醤油」で食べたいから。
- ここから『卵なし』『卵あり』で作り方を分けていく。
- 『卵なし』:小麦粉を溶かした液にくぐらせ、パン粉をまぶす (液は、小麦粉大さじ4に水大さじ3の比率)
- 『卵あり』一般的な作り方:小麦粉→卵→パン粉の順番
- 揚げる前。上が『卵なし』下が『卵あり』です。
- フライパンに2cmくらいの高さで油を170℃にする。(深くし過ぎないのは、一番おいしい皮目部分の加熱を少なくする為)
- 皮目を上にして1分30秒、裏返して30秒揚げる。
- これで出来上がり。上が『卵あり』下が『卵なし』です。
食べ比べての感想
- 『卵あり』『卵なし』、どちらも美味しいです。そんな中でも感じる違いについて、書いていきます。
- 味の違い:『卵あり』の方がコクは感じられました。ただ、これは言われたら分かるレベル。逆に言えば、卵が無くても美味しいことにビックリです。コクの差は、好みがあると思います。アッサリが好きな方は、むしろ『卵なし』が良いと感じるはずです。
- 衣のボリューム:『卵あり』の方が厚く感じます。恐らく、卵が膨れる効果がある為でしょう。『卵あり』の方がふんわり。『卵なし』はその分、カリッカリッザクッザクッと心地よい食感が得られます。
- サクサク感の持続:今回は(我慢できず)作ってすぐに食べてしまいました。元々『卵なし』の方がサクサクか?の検証でしたが、時間を置いたときに差がでるのかもしれません。
- 作業性:『卵なし』は、1つ工程が少ないですね。卵に付ける、という工程がない分だけ、作るのがラクでした!
- その他 気づき:フライを作った後に、卵がビミョーに残ってしまい、それを捨てる罪悪感ってありませんか。『卵なし』ではその罪悪感がなくて済みました。
おすすめ書籍
今回ご紹介した「卵不使用アジフライ」の考案者、上田勝彦さんの著書です。単なるレシピ本ではなく、魚料理を「しくみ」で捉えて、なぜ焼くのか、なぜ煮るのか、なぜ揚げるのかという、原理原則を教えてくれる本となっています。
豊かな海に囲まれた素晴らしい環境に暮らす日本人。その日本人が資源である魚を美味しく頂くために育て受け継いできた調理方法。普段は当り前と思い、気にも留めないその調理法には、きちんとした『理由』があることを気付かせてくれます。
この本からそれを理解できれば、魚料理を美味しく仕上げる為の応用が『しくみ』として発揮できるはずです。もしご興味があればチェックしてみて下さい。
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最後に
今回の検証で一番の驚きは『卵なし』でも美味しい!というコトが分かったこと!
いつも冷蔵に入っているはずの卵が、フライの時に限って無い!たった1個だけの為に、買いに行くっ羽目になったことってありませんか。そんなときも落ち着いて下さい。フライは『卵なし』でも問題ありません。
『卵なし』にする場合は、小麦粉の液がサラサラ過ぎるとパン粉の付きが悪くなると思いますので、一般的なバッター液の様なトロミで調整してください。
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