突然ですが、私の性別は男です。私が女性になりたいと思う思わないに関わらず、自然に体が女性に変わることはありません。
私「そんなの当り前ですね」
魚「当り前じゃね~よ。ふつうに変わるだろっ。」
そう。魚の世界には、性転換する種が500種もいると言われています。オスで産まれて、成長してメスになる。メスに産まれてオスになる。どちらのパターンもあるんです。驚きですね。成長の過程で、変化の途中という段階がありますので、その状態では、卵巣と精巣がお腹の中に共存しているそうです。
そして今日ご紹介する魚は、メス♀で産まれてオス♂になる魚。
その名は、アカイサキ。
産まれた時はメスです。体長35cm位まではメスとして生活し、産卵後にオスに変わる、そんな魚です。
食用として人気がある魚ではありませんが、その味は如何に?性別はどちらでしょう?今日は珍しく市場に入荷していましたので、頂くことといたします。
今回はアカイサキ!真剣に向き合います!
基本情報
標準和名:アカイサキ
科:ハタ科
生息域:日本海側は兵庫県香住から九州南岸、東シナ海沿岸。太平洋側では伊豆・伊豆諸島、相模湾から九州南岸、宮古、八重山諸島。
旬:冬
マメ知識
- 「イサキ」と名前につくが、お馴染みのイサキが属するイサキ科ではない。アカイサキは、ハタ科です。
- メスかオスかは外見でも分かる。大きくて顔に黄色い線の模様が入っているのがオス。
- 一般的には、メスよりもオスが美味しいと言われている。
本日の個体
体長:27cm(全長:31cm)
重さ:570g
価格:600円(1kgあたり1050円)
顔に黄色いラインが入っていませんので、メスですね。
背びれに立派なトゲがあります。心配な方は先にキッチンバサミでちょっきんしておきましょう。
尾びれです。イサキだと切れ込みが入ってますので、それとは違いますね。
上側の表面がうっすらと黄色に輝いています。鮮やかで綺麗ですね。
せっかくなので、イサキ(イサキ科)とアカイサキ(ハタ科)の写真を並べてみましょう。あぁ、確かに似てるかぁ。でも体高(背から腹の高さ)が違いますね。尾びれの形も、イサキは弓状にだけど、アカイサキはフラットですね。
【関連記事】【イサキ】塩焼き(旬外れは味が落ちる?)
調理
アカイサキを捌く
1. ウロコを取る
2. エラとワタを取り除く
3. 血合いをキレイに洗い流す
この様にキレイに腹の中を洗い流しました。
卵が入っていました。やはりメスでした。これは塩焼きで頂きます。
アカイサキの刺身(薄造り)
どんな味がするのか、気になるのは刺身です。二枚に下しました。こちらの中骨の付いてない側の身を、刺身用に捌きます。
魚の刺身。アニサキス対策については、コチラの記事をご覧ください。
刺身用の柵にしました。
皮を引きました。血合いの色は薄い。薄造りは難しい身ですが(熟成している)、やってみます。
はい、こんな感じ。かけ醤油で頂きます。
【味の感想】
刺身(薄造り):これは美味しい!正直、期待していなかったんです。味に特徴が無いから安いとかいう評価を見ていたので、そのつもりで食べたんですが。確かに旨味は薄いですが、クセや臭みが無いんです。メバルとかメジナあたりだと、磯臭さがしてしまうんですが、その臭みがないのは嬉しい。確かに薄味、だけどコスパ的には高評価とさせていただきます。かけ醤油とよく合います。
アカイサキの真子(卵)の塩焼き
これは最近あみ出した技なんですが、真子の塩焼きはこの方法が美味しいです。是非やってみて下さい。塩焼きというよりも、「塩漬け焼き」ですかね。
先ず、干物用の7%の食塩水に、卵を漬けます。30分くらいでも十分です。7%?となってしまうかもしれませんが、私の覚え方は「水1カップに塩大さじ1」です。
①水1カップ=200g ②塩大さじ1=15g
①+②=215gよって、15g / 215 g x100 = 7%。
「水1カップに塩大さじ1」、簡単でしょ?
水気を取ったら、クシャクシャにしたアルミホイルの乗せて、トースターで焼きます。焼き加減はお好みで、200℃だったら、5分くらいかな。アルミホイルをクシャクシャはポイントですよ。焼く時にくっ付きにくくなるし、ドリップが素材に付きにくくなります。
はい、焼きあがりました。
それでは、いただきます。この作り方、試して見て欲しい!
【味の感想】
卵の塩焼き:アカメバルの真子(卵)、結論から言うと、美味しいです。塩味がしっかりしているので、醤油なんていりません。そのままでしっかりしたご飯のお供。粒が細かくネットリして良いお味です。
アカイサキの干物
刺身で使わなかった、半身や頭を7%食塩水に浸けていきます。おさらいですよ。7%は「水1カップに塩大さじ1」。もう忘れられないはず。30~40分くらい浸けておきます。
浸け終わったら、真水で流して、水分をよく拭き取り、網に乗せたら、お馴染みの冷蔵庫へ入れる方法です。はい、この状態で、冷蔵庫へ!
【関連記事】冷蔵庫でも出来る!【魚の干物】作り方
一晩、冷蔵の中で乾燥させました。重さの減少は283g→261gの22g(8%)でした。
皮側の表面は、カサカサと乾燥しています。
身側は触ると若干ベタベタが残る程度。
さぁ、グリルで焼いていきます。身側7分、皮側2分で良い感じでした。
はい、焼きあがりました。
骨を剥がして、頂きます。身はふっくら。
【味の感想】
白身がフックラで身離れも良く、とても美味しい。口の中で溶ける様な感触です。間違いの無い味。頭や顔にもしっかり身が入っていますので、ホジホジして楽しんでください。とにかくクセが無いので、白身の美味しいさを存分に楽しめます。満足満足。
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最後に
今回は、性転換する魚、アカイサキを頂きました。食べ物って、いろんな媒体でいろんな評価ってありますが、やっぱり試して見るものですね。今回の収穫は、刺身が意外に美味しかったこと。淡泊な刺身に、かけ醤油がぴったり合っていました。もしアカイサキに出会えたときは、是非、刺身を試してみて下さい。干物も美味しく、この感じだと塩焼きもGOODでしょう。個人的には煮付けよりも焼き物かなぁという感想を持ちました。とにかくコスパ抜群です。
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