鍋や煮物で使う「だし昆布」ですが、煮すぎてしまったという経験はありませんか?
一般的に「昆布を沸騰させると、臭みや雑味が出る」と言われますが、本当でしょうか?
昆布だしの取り方について、商品パッケージの裏にはこの様に書かれています。
- 昆布を水につけ30分ほど置く
- 弱~中火にかける(ゆっくり温度を上げる)
- 沸騰する直前に(昆布から水泡が出たら)昆布を取り出す
だし昆布を煮る時間。そんなに気にする必要があるのかな?
家庭で料理するのに細かいことを気にすると疲れてしまいますね(笑)
というわけで、今回は敢えて「だし昆布」を長く煮てみて、どの様な影響があるか実験をしてみました。その結果をお伝えしますね。それではスタート!
(先に)実験の結論
確かに「沸騰直前に昆布を取り出す」という使い方は正解だと感じました。なぜなら、その時点で、昆布の香りが立っているからです。
それ以上煮込むと、確かに昆布の味が感じられる様になります。そうすると敏感な人なら「雑味が出た」とか「昆布臭い」と感じるのだと思います。
ただ、、、忙しい毎日。そんなことをイチイチ気にしていられませんよね。今回の気付きは、多少煮過ぎたとしても、昆布の出汁は美味しく頂けるという事です。
実験の方法
今回の実験に使用したのはコチラの日高昆布。普通にスーパーマーケットに売っているものです。
以下の実験方法で行いました。
- いち個人の評価にならない様、妻・長男(小学生)・私の3人で試飲。
- 少量ではなく、一口でゴクリと飲める分量を準備。
- だし昆布を煮て、以下4つの『サンプル』とし、味を比較する。
『サンプルの名前』 | サンプルの説明 |
---|---|
『非加熱』 | 水に30分間浸したもの |
『0分』 | 沸騰直前 |
『5分』 | 沸騰後5分煮たもの(煮すぎ) |
『10分』 | 沸騰後10分煮たもの(もっと煮すぎ) |
実験の経過
①昆布12gを1リットルの水に30分間浸し、サンプルを取りました。サンプル名『非加熱』とします。
②弱~中火にかけ、ゆっくりと温度を上げていきます。
③昆布から水泡が出てきました。サンプルをとります。サンプル名『0分』です。
④沸騰後5分経過、サンプルを取ります。サンプル名『5分』です。
⑤沸騰後10分経過、サンプルを取ります。サンプル名『10分』です。
以上の様にして取ったサンプルがこれです。左からサンプル名『非加熱』『0分』『5分』『10分』
どんな味がするんだろう?それぞれ味見をしてみるね。
実験の結果
何の実験をしているか?コンセプトは伝えず、妻と長男にテストに参加してもらいました。
どれが一番おいしい?に対する答えは、以下の通りです。
妻 | 沸騰後『10分』 |
長男 | 沸騰後『10分』 |
私 | 沸騰直前『0分』 |
あれっ、2人は沸騰後『10分』を選んじゃった。
2人の答えを効いて、吹き出しました(笑)
私の好みは沸騰直前のサンプル『0分』。これが一番スッキリ感じられました。只、このサンプルで飲むと確かに味は薄いです。スッキリの意味は、昆布そのものの味はしないものの、奥に旨味が感じられるという評価です。
一方で妻と長男の答えが『10分』となった理由も理解できました。昆布の味が感じられたのは『10分』でした。スープかな?と思って飲んだ場合は、やっぱり味がする『10分』を選ぶでしょう。
もう1つ大事な点ですが、私は『10分』煮たサンプルでも臭さや雑味はさほど大きくは感じませんでした。言われてみれば分かるレベルのものでした。
実験の感想&私の結論
今回の実験を通して、私の感想です。
一般的に言われる「煮すぎた昆布だしの雑味」とは、昆布そのものの味がしてしまうことなのだと感じました。この雑味の評価は、上品で繊細なものです。平均的な味覚であれば、気付かない程度のものだと思います。
但し、昆布にも様々な種類があるので、違いがあっても当然です。
一方で「沸騰直前で昆布から泡が出てきたら昆布を取り出す」という一般的な使い方には、納得できました。なぜなら、その状態でも香りがしっかりと立っていたからです。おいしさ=香りという点からすると、この沸騰直前がベストなポイントなのでしょう。それ以上煮ても、昆布の味が煮出されていくだけと考えられます。
昆布を沸騰させたくらいで、自分を責めないで下さい。※
普通に、美味しいです!その昆布だしを楽しんでください。
(※貴族階級の方のみ、悔やんでください)
(ご参考)だし昆布を再利用!佃煮レシピ
使い終わった「だし昆布」の再利用方法の定番は佃煮でしょう。今回も、佃煮で頂きました。
【材料】
- だし昆布 適量
- 水 100ml
- 醤油 大さじ2
- みりん 大さじ2
- 砂糖 大さじ1
- 白ごま 適量
【作り方】
- だし昆布を水で軽く洗い、水気を拭き取ります。
- 昆布を細切りにします。
- 鍋に水、醤油、みりん、砂糖を入れて火にかけます。
- 煮立ったら昆布を加え、弱火で15分ほど煮ます。
- 昆布が柔らかくなったら、白ごまを加えて混ぜます。
- 水分がなくなるまで煮詰めたら完成です。
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まとめ
今回は、だし昆布を煮すぎると臭みや雑味が出るのか実験しました。
結論としては、「かなり敏感な人でなければ、気にし過ぎる必要はない」と締めくくりたいと思います。
香りが立つことを考えると、やはり「だし昆布」は沸騰直前に取り出すのがベストでしょう。でも、気にし過ぎると疲れてしまいますし、多少煮過ぎても、昆布だしは美味しいです(笑)
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