今回は、シマアジのアラと身を使って、沖縄の郷土料理「マース煮」を作ります。
魚の煮付けと言えば、醤油・味醂・酒・砂糖・生姜を使った醤油ベースの煮物が一般的ですが、いつもこればかりでは飽きてしまいませんか? そんな時、「マース煮」を知っていると、魚料理の幅が広がります。マースとは、沖縄の方言で、塩を意味します。そうです、「塩煮」です。
「マース煮」というと、例えばカサゴの様な小さめの1尾の魚で作るイメージがあるかもしれません。しかし、大きめの魚でも、アラを使った塩煮にすれば、格段に美味しく頂けます。是非チャレンジしてみて下さい。今回は、シマアジのアラを使います。
それでは作っていきましょう!
アラを使うマース煮 私流ポイント3つ
- アラの下処理は丁寧に
- 美味しい塩分濃度を意識する
- 最後に少しの顆粒出汁と醤油で味を調える
1.アラの下処理は出来るだけ丁寧に
「マース煮」に限った事ではありません。アラを使う料理は、血やウロコなどの汚れが残っていると、 美味しく仕上がりませんので、しっかり汚れを取りましょう。具体的には、湯通しした後、汚れ(ウロコ、血の塊など)を指で撫でながら、しっかり取り除きましょう。ここを怠ると、生臭さが残ってしまいます。
今回は、味付けがシンプルな「塩煮」ですから、特に丁寧に仕上げたいところです。
2.美味しい塩分濃度を意識する
「マース煮」を作るなら、スープを美味しく頂きたい!私のおススメは、水100mlに対して塩1gの煮汁を使って煮る方法です。これだと約1%の塩分濃度となります。
人間が美味しいと感じる塩分濃度って決まっているんですよ。一般的には0.8~1.0%と言われます。つまりお吸い物なら、この濃度を目指せば良いわけです。今回は煮物ですから、1%の濃度で煮始めれば、水が蒸発して、少しだけ塩辛めのスープになります。これを魚に含ませて食べると美味しいのです。
また、これだとご飯によく合います。ご飯とこのスープが口の中で合わさると、0.8~1.0%に調整されて、美味しいと感じるのです。この口の中での塩分調整は、皆さんがふだん無意識に行っている事だと思います。
3.最後に少量の顆粒出汁と醤油で味を調える
塩だけでももちろん良いですが、最後に顆粒出汁と薄口醤油を使って、味を調えます。出来たスープの味見をして、最後にそれらを加えると、自分好みに仕上げることが出来ますよ。
アラを使うマース煮 材料(4人分)
- シマアジのアラ
- シマアジの切身
- お好きな野菜(カブ、ほうれん草)
- 豆腐 1丁
- ☆水 1000ml
- ☆酒 大さじ3
- ☆塩 10g(小さじ1.5杯)
- だし昆布 適量
- 顆粒出汁 小さじ0.5
- うすくち醤油 小さじ1
アラを使うマース煮 作り方(写真と解説)
今回使用するのは、愛媛産のシマアジです。殆どの身は刺身で美味しく頂きました。
アラと切身です。アラは、湯通し後、丁寧に汚れを洗い流して下さい。切り身は塩をして、10分ほど置き、洗い流しました(臭みを取る為です)。
1Lの水に出汁昆布、酒を入れます。
そこに魚のアラと、塩10gを入れ、煮始めます(この時点で1%の塩分濃度)。
沸騰する頃に昆布は取り出す。また、アラから出た灰汁は丁寧に取りましょう。
アラの身の少ない部分(背骨など)はスペースを開ける為、取り出しました。鍋に、豆腐、カブと魚の切身を加え、10分程度煮ていきます。
ほうれん草は、シャキッと頂きたいので、別で茹でました。盛り付けの時に合わせます。
10分くらい煮たら、スープの味見をして下さい。必要な分だけ、顆粒出汁と薄口醤油を加えます。今回は、顆粒出汁を小さじ1/2。
それから、薄口醤油を小さじ1加えました。
お皿に、魚、豆腐、野菜(カブ、ほうれん草)を盛り付けたら、、、
塩煮のスープを注ぎます。
はい。魚のアラを使った「シマアジのマース煮」の完成です。
それではいただきます。
魚はもちろん美味しいけど、スープが最高! 塩と出汁の効いたスープが、ご飯に合うね。
沖縄料理には沖縄の素材を合わせるのも良いですね。塩のおススメは「粟國の塩」です。ミネラル分が約20%含まれています。
マース煮には、地元沖縄では、泡盛が使われます。
▼泡盛を詳しく見る▼
まとめ
今回は【魚のアラを使うマース煮(沖縄風塩煮)の作り方】をご紹介しました。塩の効いたサッパリしたスープが、とにかく美味しい逸品。マース煮はスープを味わう料理と言っても過言ではないでしょう。そのスープを美味しくするには、面倒でも、魚の下処理を丁寧に行ってください。苦味成分が多めの沖縄産の塩を使うのも良いと思います。沖縄料理に沖縄の塩。魚のマース煮、おススメです。是非、お試しください。
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