今回は、冷凍干物のサバを「炙り」と「湯煮」に作り分け、その味を比較します。どういう違いがあって、どちらが美味しいのでしょうか?
目的と調理方法説明
目的
干物を「炙り」と「湯煮」で作り分けをし、味や食感の比較をして、それぞれの特徴を調査します(比較しやすい様、1匹のサバを使用)。違いを理解して、毎日の料理に役立てたい。
調理方法
「炙り」は、いつも皆さんがご家庭で調理されている様に、グリルで焼く方法をとります。冷凍干物を一旦冷蔵庫で解凍して、グリルで焼いていきます。
「湯煮」は、沸騰直前のお湯で魚を茹でる調理方法です。生魚だけでなく、干物にも適しています。魚を茹でるのですが、沸騰させない温度(80~90℃)とすることで、魚の旨味を逃がさない様にします。またノンオイルでヘルシーに頂ける調理方法です。
コチラの記事で詳しく紹介しています>>>上田勝彦さんレシピより【マダラの湯煮 和・洋・中】実践レビュー
「湯煮」も冷凍干物を冷蔵庫解凍。その後、80~90℃のお湯で煮ていきます。
本日の個体
状態:冷凍干物
産地:ノルウェー
体長:27cm(全長30cm)
重さ:235g
購入先:楽天市場「越前かに職人甲羅組(DENSHOKU)」
作り方(写真で解説)
1匹の冷凍サバを半分に切ります。片方は「炙り」、もう片方を「湯煮」にしていきます。
干物の「炙り」作り方
いつも通り、グリルで焼いていきます。グリルを温めたら、サバを入れて、両面をこんがりと焼きます。
身の側から中火で焼き、良い焼き加減になったら、裏返します。
皮側も良い具合に焼けました。美味しそうです。
干物の「湯煮」作り方
フライパンに水を張り、酒大さじ3を入れます。酒は、魚の臭みを抑えるために使用します。
普段、温度計は使いませんが、人にお見せする記事なので、きちんと温度を測りました。80℃を越えたので、サバを入れます。この後も、終始80~90℃をキープします。ちなみに、この80~90℃の状態は、湯面から湯気が出て、細かい気泡が鍋底に付いている状態です。ブクブクと泡が出てしまうと、それは沸騰(100℃)しています。沸騰前をキープすることで旨味を逃さない様にするわけです。
サバの干物をお湯に入れる。
浮かない様に、蓋で抑えました。
80~90℃をキープするには、弱~中火の火加減でした。
15分間じっくり茹でて「湯煮」の完成です。途中、アクは出ませんでした。軽く油が浮いてくる程度。この写真の様に、お湯はキレイな状態のままでした。煮出される魚の成分が少ないことが考えられます。
「炙り」と「湯煮」の比較結果
それでは「炙り」と「湯煮」が完成しました。見た目は全然違いますね。焼いた方は焼き色が付いています。そして、出来上がりの大きさも違いました。
元々は体長27cmのサバでした。出来上がりの状態で、「炙り」は23cmに対し、「湯煮」は25cmでした。焼くことで、水分等が蒸発し、縮んでいることが分かりました。「炙り」は27→23cmと長さで15%も減少しています。
幅も違いますね。湯煮は元の形をおおよそ維持しています。
それでは食べ比べて見ましょう。
全然違う!
明らかな差が出ました。実食し、比較した感想を書き出します。
- 「炙り」の方が身が硬く、塩気が強い。
- 一方「湯煮」は、身が柔らかく、塩気がマイルド。
- 塩辛さの違いはあるが、「炙り」だけでなく「湯煮」も旨味はしっかり残っていて美味しい。
- 意外だったのが、脂のノリは「湯煮」の方が強い。特に「湯煮」のお腹の身は、脂がよく乗っていて美味しい。
- 「湯煮」の方が身離れが良い(骨が取れやすい)。
以上の様に、明らかな違いが感じられました。
これだけの差があれば、別の料理と言って良いでしょう。「炙り」は高温の直火で焼く事により、水分も脂も抜けていることが考えられます。脂に嫌味が無い場合は「湯煮」でその脂を残して美味しく頂くという考えも出来ると感じました。
人それぞれに好みがあるので「炙り」「湯煮」でどちらが美味しいとは言えません。私自身、今日は「湯煮」が美味しいと感じましたが、これは気分や体の状態によるだろうと、はっきり分かりました。
「湯煮」を好む方は、以下の様な理由を挙げると推測します。
- 柔らかい食感の方が好き
- 塩味はマイルドな方が好き
- 調理時間が少し長くなるのを気にしない
<゜)))彡 <゜)))彡 <゜)))彡
今回の冷凍干物はお取り寄せ商品「干物セット5種」を利用しました。お取り寄せの内容をコチラにレポートしています。
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まとめ
今回は、サバの冷凍干物を「炙り」と「湯煮」で作り分けて、その味の比較を行いました。「湯煮」の特徴は、身が柔らかい・塩気がマイルド・脂が残っている、となりました。
干物は焼いて食べることが多いと思いますが、「湯煮」でも美味しく頂けます。調理方法も簡単で「お酒を加えた沸騰しない程度のお湯で、魚を茹でる」と覚えて頂ければ良いと思います。旨味を逃さず、塩味も身質もマイルドに頂けますので、いつもと違った感覚が楽しめるはずです。是非お試しください。
煮る温度との関係はコチラでテストしています。
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