やせ型の人の特徴に「攻撃的で冷酷」が挙げられる?!と聞いたことがあります。その代表が「織田信長」だとか。その真相は不明ですが、確かにひょろっとした体形で、外見からはひ弱に見えるけど、実は怒らせると恐い人って、いるような感じがします。うんうん、何人か思い浮かぶ?!
「体は細いのに攻撃的」、、、魚にもいるんです。皆さんご存じ、塩焼きで美味しい魚。
カマスです。
日本で売られているカマスのほとんどは、アカカマスという種類で、体の色がうっすらと赤味がかっています。
この細い体のカマス。実は、獰猛な魚なんです。カマスは受け口なので、下方にはあまり目がいかず、自分より上にいるエサを狙っています。しかも大群だというから恐ろしい。そしてエサを見つけようものなら、我先にと猛スピードで近づき、鋭い歯でそれを捕らえるのです。そのスピードは時速150kmになるとも言われています。
自分がエサの立場だったら?恐いですね。猛スピードで押し寄せてくる大群。
そんなカマスですが、食用としては、「干物にされるために生まれた魚」と称されるほど、干物や塩焼きにして美味しい魚です。とても水分が多い魚なのですが、それが凝縮する過程で、多くの旨みを生むんですね。以前、私も刺身を頂いたことがありますが、やはり水分の多さは感じました。
本日は刺身鮮度のカマスにお会い出来ました。カマスの刺身、流行っていますね。皮を残すと美味しいんですよ。ただ、気分は干物です。今日は「開き干し」にしていきましょう。
今回は カマス!真剣に向き合います!
基本情報
標準和名:アカカマス
科:カマス科
生息域:琉球列島を除く南日本
旬:秋から冬
マメ知識
- 暖かい海を好むので、北には生息しない。
- 「カマスの焼き食い一升飯」という言葉がある。これはカマスの塩焼きが一尾あれば、他に何もなくても、ご飯が沢山食べられるほど美味しいという意味。
- 実はフライも美味しんだとか。「本当にうまい魚の食べ方」には、この様に紹介されています。
”カマスのフライ”っていうと意外な顔をされるけどさ。甘みのある上品な味わいで、干物のカマスとはまったく違う印象でびっくりするよ。
恵比寿「魚キヨ」が教える本当にうまい魚の食べ方 /講談社/魚キヨ
本日の個体
産地:石川
体長:28cm(全長:31cm)
重さ:588g(3匹分)
価格:790円(1kgあたり1340円)
優しい顔つきですね。攻撃的とは信じがたい。
しかし歯は鋭い、肉食の魚です。下アゴが突き出しているのが特徴です。「受け口」ですね。
調理
さぁ、開き干し用に捌いていきましょう。
カマスを捌く(開き干し用)
ウロコを落としたら、エラを外します。エラ蓋に沿って、包丁を「つ」の字に入れます。※撮影:スタジオ小学3年生
手前から包丁を挿入し、奥のエラに引っ掛ける。
エラを包丁でまな板に押し付けて、、、
体を引っ張ると、エラが外れます。抑えるポイントが良いと、ワタ(内臓)も一緒に取れます。
頭の付け根に、中骨まで包丁を入れます。
先ほどの切り込みを始点に、背側から開いていきますよ。
はい、こんな感じ。腹側の皮は残します。
開きました。開いたら、お腹の中をキレイに洗います。身が割れやすいので、優しく取り扱いして下さい。
キレイに洗い、ゴミを取りました。
残りの2匹も開きました。
カマスの開き干し(干物)の作り方
7%の塩水に45分間つけます。7%の食塩水は「1カップの水に大さじ1の塩」です。今回は、5カップの水に、大さじ5の塩を入れました。
時間が経過したら、真水で軽く洗って、水分をよく拭き取ります。この状態で、冷蔵庫にイン。
【関連記事】冷蔵庫でも出来る!【魚の干物】作り方(アジ)
それでは食べたい気持ちを我慢して、冷蔵庫で2日間乾燥させていきます。
ここで参考ですが
もし冷蔵庫の空きスペースが少ないというのであればピチットシートも便利です。味も間違い無いことをコチラ▼で確認しています。
それでは、カマスに戻ります。只今、冷蔵庫で乾燥中です。
2晩が経過しました。一夜干しならぬ、二夜干しです。
表面はほとんど乾いています。少しだけ、ベタツキを感じる程度。乾燥前は525gでした。現在、425g。丁度100g(19%)の水分減少です。
これをガスコンロで焼いていきます。強火で表6分、裏(皮)3分で、出来上がり♬
【味の感想】
見た目の白身がとてもキレイ。塩気も丁度良く、調味料は要りません。脂が少ない魚だからは分かりませんが、身がフワフワしていてとても美味しい。箸で身を割ると、水蒸気がフワーっと上がる感じお分かりになりますか。
そしてカマスの醍醐味は、皮の美味しさです。皮に脂があるのか、カリッと焼けるんですよ。香ばしくて美味しいです。
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まとめ
今回は「干物のためにうまれた魚」と称される魚、カマスを開き干しで頂きました。「カマスの焼き食い一升飯」とは良く言ったもので、今も昔もご飯に合いますね!美味しかった。捌くのも、鋭い歯と柔らかい身の扱いに気を付ければ、そんなに難しいものではありません。今回は、2日乾燥させましたが、1日でも干物の美味しさを十分に楽しめますので、是非試して見て下さい。
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