今回も冬が旬の魚をご紹介します。
それは「むつっこい」魚。昔の人は「むつっこい」食べ物を好んでは食べなかった。「むつっこい」「むつっこい」、ん~「むつっこい」。それってどういう意味?
「脂っこい」という意味です。昔はマグロの大トロは脂が多すぎると敬遠され、捨てられていた!というのは有名な話ですよね。時は変わって肉食文化が浸透すると、今度は脂信仰がはびこった。
大トロは高級品。そしてこのクロムツも高級魚です。
そう、このムツは「むつっこい」が名前の由来。現代では「むつっこくて」美味しい魚となりました!
セーフ。残り2匹。1匹もらって帰ります。
今回はクロムツ!真剣に向き合います!
基本情報
標準和名:ムツ
科:ムツ科
生息域:北海道以南、鳥島、東シナ海
旬:12月、1月
マメ知識
- 脂っこいことを「むつっこい」ということがムツの由来。昔は脂っこいものは避けられていたので、「むつっこい」は誉め言葉ではないだろう。
- 昔はクロムツとして1種類と扱われていたが、最近では厳密にクロムツとムツが分類されている。クロムツの方が高価。紫っぽいのがクロムツで茶色っぽいのがムツで見分けられるが、学術上は側線上のウロコの数で分類される。売り物もきちんと区別されている様です。
- 成魚は水深300~500mの岩礁域に生息する深海魚。一方、子供は10~20mの浅い岩礁に住み、親と一緒にいない。よって別名「親不孝」。
- 高級カマボコの原料にもなっている。
- 春頃に大きくなる卵巣は「むつ子」として大変人気がある。
本日の個体
体長:29cm
重さ:480g
価格:700円(1kgあたり1460円)
ご覧ください、この歯。非常に硬くて鋭い。捌くときに引っ掛けるとカッターで切ったみたいに、手が切れてしまいます。私は最初知らずに切りました。先に包丁で口を落とすのが無難で、一般的にもそうされている様です。ご注意を。
調理
ムツは脂が多いので、煮付けや焼き物が定番です。今回は漬け焼きで食べたい気分。赤味噌が残っていたので、味噌漬けにしていきます。
味噌漬け
ウロコを取って、エラとワタ(内臓)をキレイに除きました。漬けにするので、カマは落とさずに残しておきます。
カマ残しの2枚下しへ。中骨は片側の身に付けたまま。
クロムツの頭は捨ててないですよ。↓こちらに=友情出演=しております↓
ちなみに、魚捌くのにキッチン鋏みは便利です。包丁でやりにくいと思ったら、迷わず鋏みを使って、楽をしましょう。鋏みを使う方が安全な時があります。
切り身にしました。塩をして10~15分くらい置いてください。
その間、味噌だれを調合します。赤味噌なので、甘めの味付けへ。
赤味噌 大さじ2、砂糖 大さじ3、ミリン 大さじ2、酒 大さじ1。
バットの底に味噌を塗って、魚、さらに味噌でコーティング。冷蔵庫で一晩寝かせます。
寝た子を起こしました。おはよう。
きれいに味噌を拭き取りましょう。こんな感じ。味噌が残っていると直ぐに焦げてしまいます。味はシッカリついているので、キッチンペーパーで拭き取って大丈夫。
グリルは弱火でじっくり両面焼いていきます。焦げないか途中見ても良い。
焼き上がりました。完成。
味の感想
手間を掛け、待った甲斐がありました。脂が乗っていて、美味しい!口の中で身がホロホロほどけていく感じ。甘く味付けされた赤味噌のコク。脂の乗った身とよく合います。ちょっと焦げた皮が香ばしくて、ご飯がススミます。うまい!魚が美味しいので、調理では焦がすのだけを注意すれば、マズくなりようが無い。
=スポンサーリンク=
最後に
今回は「むつっこい」魚、クロムツを頂きました。鋭い歯に注意するのと、柔らかい身を割らない様に気を付けながら捌いてください。それ以外に特に難しいことはありません。ウロコも落としやすい。この寒い時期に煮付けや焼き物で美味しいのは本当に有り難い。見た目は、黒くて目がギョロっ。ちょっと取っ付きにくいかもしれませんが、とても美味しい魚です。脂ノリノリ。だって名前が「むつっこい」のムツですよ。是非、お試しください。
こちらの記事もいかがですか?
コメントお願いします(※は必須項目)