今回は青森県の郷土料理「じゃっぱ汁」の作り方をご紹介します。
「じゃっぱ汁」とは、青森県の郷土料理で、真鱈や鮭のアラ汁のことです。一般的には、真鱈のアラを味噌ベースで味付けをした鍋となり、特に津軽地方の料理と言われています。
「じゃっぱ」とは、大雑把などに使われている「雑把(ざっぱ)」が訛ったものという説が有力で、大雑把に切れ端を寄せ集めたもの、すなわち魚を三枚下ろしにした後などに残る、魚のアラのことを「雑把」=「じゃっぱ」と呼んだと考えられます。もしくは、野菜などの材料も含めて雑把に放り込んだ鍋、ということかも知れません。
個人的に、真鱈のアラ汁は、その香りが特徴だと感じています。アラを煮る過程で、とても良い魚介の香りが漂うのです。その甘い香りには、人の心を落ち着かせる効果があるのではないでしょうか。心が休まり、まるで故郷に帰ってきたような、そんな感覚さえ覚えるのです。
真鱈の旬である冬には、鮮魚店などで真鱈のアラが売られていることがあると思います。是非お手に取って、「じゃっぱ汁」を体感してみてください。
それではご紹介します!
真鱈のアラの下処理方法
真鱈1匹分のアラです。肝が入っていますが、これは新鮮であれば軽く洗う以外の下処理は必要ありませんので、一口大にカットして、鍋に使ってください。(お断り:今回「じゃっぱ汁」に肝は使っていません(別のテストをした為)。本来は肝を入れた方が格段に美味しいです^^)
大きいヒレは切って除いておきましょう。
それでは、アラの下処理方法です。
〇臭みがある場合は、事前に塩を多めに振っておくと良いです。
①アラに沸騰直前の熱湯を掛ける。
②全体に湯が行き渡る様に混ぜる。表面が白く色づくまで。
③水を差し温度を冷やす。
④表面に付いたウロコや汚れを綺麗に取り除く。
主に取り除きたい汚れは、血合い・ウロコ・ヌメリです。ある程度、魚屋さんが処理してくれている場合もありますが、自分で確認するのが確実です。
例えば、今回は背骨の下の腎臓(血合い)がこの様に大きな塊で残っていました。これが鍋に入ってしまうと、臭みに繋がります。この様な汚れを、丁寧に除くと美味しく仕上がります。
汚れが取りにくい場合は、爪楊枝やブラシを使って、掻き出すのも良いと思います。どの程度こだわるかは、お好みですね。
「じゃっぱ汁」の材料
- 真鱈のアラ 1匹分
- 真鱈の白子 (既に茹でてあるもの)
- 真鱈の肝(すみません、今回は使っていません)
- 水 800ml
- 昆布 10cm
- お酒 大さじ3
- 味噌 100g
- 大根 1/3
- 人参 1/2
- 豆腐 1丁
- 長葱 1本
真鱈の白子は既に下処理をしたものを使用しています。白子の下処理方法はこちらに紹介しています▶たら白子の下処理。
生の白子を使用する場合は、仕上げの段階で入れてください。白子は2~3分の加熱でも十分に火が通ります。
また、真鱈の肝を使用する場合は、肝を一口大に切って、アラと同じタイミングで鍋に入れてください。
「じゃっぱ汁」の作り方
水にアラ、昆布、長葱の青い部分とお酒を入れ、火に掛けます。真鱈の肝がある場合は、アラと一緒に加えて下さい。
沸騰直前に昆布は取り出しましょう。長く入れておくと、昆布の種類によっては、苦みとヌメリが多く出てしまいます。
沸騰した頃に多くアクがでますので、取り除きましょう。この後で食材を煮て行きますが、出てきたアクは都度コマめに取った方が、鍋は美味しくなります。
大根、人参、
それから半分量の味噌を加えます。味噌は2回に分けるのが良いでしょう。仕上げに入れることで、味噌の香りも楽しみたいからです。
15分程度煮込み、大根と人参に火が通ったら、長葱の青い部分は除いておきます。
豆腐、白子、ネギを加え、沸騰したら2~3分加熱します。真鱈の出汁の良い香りがしますねぇ。まるで料理屋さんに来た様な気分です。
仕上げに、残りの味噌を溶きましょう。
これで「じゃっぱ汁」の完成です。
アラの身がホロホロで美味しい。
お好みでキノコ類や白菜を加えても良いですね。白菜が真鱈の出汁を吸って、野菜のトロみと魚の旨みが口の中で遊泳します。
体が温まるよ。真鱈のアラ汁は香りが最高だね。新鮮なアラほど美味しいと思うよ。
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まとめ
今回は、青森県の郷土料理「じゃっぱ汁」の作り方をご紹介しました。魚のアラ汁の美味しさの決め手は、アラの下処理です。「湯通しして汚れを除く」。これが丁寧に出来ていれば、美味しくなること間違い無し!少し面倒に感じるかも知れませんが、結果に差が出ますので、ここをポイントに調理してみてください。参考になれば嬉しいです。
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