プロも使用する脱水シート「ピチット」。今回は、この「ピチット」の食材から水分と臭みを除く性質を利用した減塩料理を試みます。ターゲットは、魚料理の基本、ブリの照り焼きです。
さまざまな魚料理で魚の切り身に対して行うのは、塩処理です。塩の浸透圧(水を吸う効果)を利用して、魚の身から水分と臭み成分を取り除くという、基本の処理となります。また水分を抜くことで、味を浸み込ませやすくするという効果もありますね。
しかし塩分を減らすことを考えると、この塩処理によって魚の身に塩が残ってしまうのは否めません。そもそも、味付けの意味合いもあるでしょう。
塩を使わず、水分と臭みを取り除く方法なんて無いよね?
ピチットシートがあるよ!
その通り。
塩の代わりに料理用脱水シート「ピチット」を使えば良いんです。
しかし美味しくなければ意味が無い!ということで、今回はブリの照り焼きの下処理として、
- 塩処理
- 「ピチット」で脱水
の2つを作り分けて、食べ比べしたいと思います。どちらが美味しいのでしょうか?
また、調味料も醤油の量は一般的な作り方の半分として、減塩料理としてのブリの照り焼きを目指します!
それではスタート!
結論
「ピチット」で下処理したブリの照り焼きも十分に美味しい!塩分が減らせて美味しいのは、嬉しい!
「塩処理」と「ピチット」で味の違いも感じられました。
「塩処理」をしたブリの身は、予想通り塩味が感じられました。塩処理をすることで、身に塩が移ることが分かりました(もちろん、これはこれで美味しい)。
一方、「ピチット」で脱水処理したものは、身に塩味は感じられませんでした。その分、ブリ本来の味が強調されました。また臭みは感じられませんでした。
身から塩味がするかどうかは、好みの問題でしょう。今回の検証により、「ピチット」で下処理したブリの照り焼きも十分に美味しいことが確認できました。
今回使用するブリ(鰤)
近くのスーパーマーケットで購入したブリの切り身です。
大分県産の活〆された養殖ぶり。
同じ様な部位を2つのグループに分けます。左側には「塩処理」、右側には「ピチット」処理をしていきます。何もしない状態での重さは、2切れでそれぞれ176gと185gです。重さの変化も見ていきましょう。
ブリ切り身「塩処理」
ブリの両面に小さじ1(2匹分)の塩を振り、30分置きます。
30分後、この様に切り身の表面に水分が浮いてきました。
流水で塩を洗い流し、キッチンペーパーでシッカリと拭き取ります。
この様に塩処理できました。身が締まっていることが分かります。
ブリの切り身「ピチットで脱水処理」
それでは「ピチット」脱水していきます。シートを巻くだけなので簡単です。
ミシン目で「ピチット」を切り取り、切り身に巻いていきます。
はい、こんな感じ。
この様に、出来るだけシートを食材に密着させる様にします。接している面から水分等を吸収する仕組みです。この状態で冷蔵庫に2時間置きました。
2時間後、「ピチット」を剥がした状態がコチラ。表面がシワシワになっています。
「ピチット」は中間層に、この様に水分を吸収しているのが分かります。
「塩処理」と「ピチット」脱水の重さの変化
それぞれの処理をした後の重さは次の様になりました。
「ピチット」で脱水したものは5gの水分等の減少となり、塩処理より大きいことが分かりました。
大きい重さの減少となっていないのは、ブリ自体が水分量が少ない魚ためと考えられます。
ブリの照り焼き作り方
材料(2人分)
減塩料理としたい為、醤油の量は一般的な分量の半分としました。
- ブリ2切れ
- 小麦粉 少々
- サラダ油 大さじ1/2
- ☆醤油 大さじ1
- ☆お酒 大さじ2
- ☆味醂 大さじ2
- ☆砂糖 大さじ1
- 白髪ネギ(お好みで)
作り方
- ☆のタレを混ぜておく
- ブリに薄く小麦粉を付ける
- 油を引いたフライパンにブリを入れ両面を焼く(中火)
- ペーパーでフライパンの油分を十分を拭き取る
- ☆のタレをまわし掛け煮詰める
- 皿にブリを乗せ、煮詰めたタレを掛ける
作り方(写真と解説)
薄く小麦粉をまぶします。
この様に両面を焼いたら、油分を拭き取ります。
☆のタレを加え、煮詰めたら完成です。
「塩処理」をしたブリの照り焼き。
「ピチット」で脱水処理したブリの照り焼き。
「塩処理」「ピチット」の味の比較
それでは、それぞれを食べ比べて、味の比較をしてみましょう。
うん、どちらも美味しい!でも、明らかな味の違いが感じられるよ。
そうなんです。明らかな違いがありました。それは、ブリの身に塩味が有るか無いかの違いです。
皆さんお察しの通り、「塩処理」をしたブリの身には、塩味がします。このことから、「塩処理」の塩が、身に移っていることが分かります。これが塩味の美味しさに繋がっていることは間違いありません。
しかし、「ピチット」で脱水したブリの身には塩味がしません。その代わりに、ブリ本来の味が強く感じられる結果となりました。また、臭みはありませんでした。
単なる味の評価となると好みの問題と言えますが、ここで強調したいことは、「ピチット」を使えば、塩分が少なくて美味しいブリの照り焼きが頂けるということです。
まとめ
今回は、「ピチット」を使用することで減塩の魚料理が出来るかの検証を行いました。ブリの照り焼きを作って比較しましたが、「ピチット」を使用することで、塩分が少なく、美味しい照り焼きが作れることが確認できました。
皆さまも、プロが使用する「ピチット」を家庭料理に取り入れてみては如何でしょうか?
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コメント一覧 (1件)
はるのじんたさま
相方は血圧が少々高めなので、わたしは塩分を控えめに調理します。
ところが彼はせっかく塩分を減らした食べ物の上にお醤油をかけるんです。
ったく!
なんにもならないよ。