家庭での調理としてはかなりハードルの高い『鯖の冷燻』ですが、マイブームの「燻製シート」を使えば簡単に出来るんじゃないか?という考えに至りました。今回は、『鯖の冷燻』を作ります。
冷燻とは、食材を煙で燻す燻製の中でも、15~30℃くらいの低温で数日間行う方法です(長い場合は数週間)。例えば、スモークサーモンの様に生に近い状態でスモークしたい場合に大変有効な方法ですね。しかし、家庭でこの環境を作るのはかなり難易度が高いと言って良いでしょう。
その高いハードルを格段に下げてくれるのが「燻製シート」という商品です。
スモークサーモンなら、生食用サーモンに塩をして、この燻製シートとラップに包んでおけば、1~2日で簡単に出来てしまうという優れものです。シートの燻製フレーバーを食材に移すという原理なんですね。
▼実際に試した記事▼
これを使えば、鯖だって冷燻が出来ちゃうじゃん!というのが今回の挑戦内容。鯖には熱を通しませんよ。刺身の状態で頂くんです。それでは早速始めましょう。
『鯖の冷燻』ポイント
- 鯖は生食できる鮮度のものを選ぶ
- 鯖への下味は〆鯖を作る方法をとる
- アニサキス対策で48時間冷凍する
- 冷凍前に燻製シートで包む
- 冷凍・解凍時のドリップ対策で「ピチット」を使用する
この1.~5.を施すことで、美味しい『鯖の冷燻』を目指します。鯖が痛むのを防ぐのに短時間で調理したい為、「ピチット」を使用して十分な脱水を促す考えです。
「ピチット」を使う/使わないで、比較も行います。
本日の個体(マサバ)
産地:千葉
体長:40cm(全長47cm)
体高:8.5cm
重さ:940g
価格:600円(キロ640円)
『鯖の冷燻』作り方
三枚下ろし
先ずは、鯖を三枚に下ろします。
念のため、ブラックライトでアニサキスのチェックをしておきますね。
身には付いていませんでした。ブラックライトでアニサキスが見つけられるか?については、こちらの記事をどうぞ▼
腹骨をすいて、中骨も骨抜きで抜き終えました。
砂糖で脱水
塩の脱水の前に砂糖で脱水することで、味に深みを出すことが出来ます。もちろん、臭みを除く効果も期待できます。
砂糖をまぶして30分間冷蔵庫で保管。かなり水分がでます。水道水で洗い流したら、ペーパーなどでよく水気を拭き取ります。
塩で脱水
次に塩で30分間締めます。こちらも冷蔵保管です。
30分間経過したら同様に、流水で塩を流し、水気を拭き取ります。
酢締め
次に酢締めです。旨みを持たせる為、昆布出汁の入った酢を使います。
酢の量を極力減らす為、調理用バックに入れて空気を抜きます。酢の成分量は若干薄めの商品なので、1時間しっかり漬けました(冷蔵庫)。また酢が行き渡るよう、途中裏返しました。
酢締めが終わったら、水気をよく拭き、薄い皮を剥ぎます。
切り身が大きいので、適当な大きさにカットしました。頭側の身を、燻製に使います。
この時点での〆鯖を食べてみますね。
うまっ。
「燻製シート」で包み冷凍
ここで本日の主役「燻製シート」の登場です。
「燻製シート」を適当な大きさにカットします。
酢締めした鯖の切り身を「燻製シート」で包んで、
「燻製シート」が密着することを意識しながら、ラップで包みます。
もう1つの切り身は、「燻製シート」の後、「ピチット」で包んでみます。冷凍・解凍中にもしもドリップ(余分な水分)が出た場合に、水分を吸収したい為です。また、燻製の基本の作り方で行う、脱水も併せて行います。
以上の様にして2つのサンプルが出来ました。
上:燻製シート+ピチット
下:燻製シート+ラップ
この状態で、2日間冷凍します。繰り返しますが、冷凍するのはアニサキス対策です。
美味しくできるかな?楽しみだね。
解凍
48時間冷凍したものがコチラです。解凍は、冷蔵庫で10時間行います。少し長めにしているのは、燻製シートのフレーバーを鯖に移したいからです。
▼解凍中▼
しばらくお待ちください・・・
冷蔵庫で10時間解凍が終わりました。
解凍後の鯖の状態
それでは開封します。まずは「ラップ」から。
次に「ピチット」。「ラップ」に比べると、表面が乾燥しています。
ピチットは中間層に水分を吸収しているのが分かります。狙い通りです。
明らかに「ピチット」の方が身が締まっています。表面も乾燥していますね。
『鯖の冷燻』 食べ比べ
燻製シートで作った『鯖の冷燻』。「ラップ」と「ピチット」それぞれでスライスしました。
それではそれぞれ、いただきます。
燻製の香りが効いて『冷燻』になってるね。「ピチット」を使った方が、身が引き締まって美味しい!
これは予想した結果で嬉しい限り。我が家の4人中4人が「ピチット」を使った方が美味しいと回答しました。ラップで作った方は、若干水っぽく、レアに感じる。一方で「ピチット」を使った場合、水分が適度に抜けて、生ハムの様な食感が楽しめました。
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まとめ
今回は、「燻製シート」と「ピチット」の合わせ技で、簡単に『しめ鯖の冷燻』を作る方法をご紹介しました。「燻製シート」を使えば火を使わずに自宅で燻製が楽しめます。今回の冷燻作りに「ピチット」は無くても良いですが、生っぽさを無くすのに効果は歴然。より美味しい冷燻が頂けるので、試す価値は有りです!
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コメント一覧 (1件)
はるのじんたさま
すごい。
燻製シートって初めて聞きました。
わたし、サバはアレルギーがあって、食べられないのですが、他の魚やお豆腐なんかを燻製にしてみたい。
情報、ありがとう。