今回は、サカナの伝道師、上田勝彦さんのレシピ『サワラの炊かず飯』を実践レビューします。
元漁師・元水産庁官僚・大学教授と異色の経歴を持たれている、上田勝彦さん。『魚食復興』を掲げて、テレビ・ラジオなどのメディアにも度々出演。さらには全国各地に飛び回り講演会を行うなど、ヒトに会って直接語り掛けるということを実践されています。
科学的な視点から料理をとらえられているのが面白い!飾った料理ではなく、実践的な料理を教えてくれます。
今回は、そんな上田勝彦さんの本の中から、『サワラの炊かず飯』を実際に作ってみましたので、レポートします。
『サワラの炊かず飯』の概要
「炊かず飯」と言うのは、サワラを積極的に加熱するしないということです。煮物や炊き込みご飯とは違います。生のサワラをみじん切りにし、火を通し安くしたら、ご飯の熱で火を通していくというもの。
最低限の加熱とすることで、魚の旨味と栄養を最大限に維持する効果が期待できます。また、食感的にもサワラの身のふっくら感を楽しめます。パサパサすることなく、シットリ、ふっくらの食感。いかにも美味しそうですね。
生に最低限の火を通す作り方をしていきますので、出来るだけ新鮮なサワラを使うことをおすすめします。また、蒸らしてすぐの出来立てを頂くのが、この料理の醍醐味だと思います。
今回も、本のレシピに出来るだけ忠実に、料理していきます!
調理
サワラの炊かず飯の材料
- ご飯4合分
- サワラ2切れ
- 青菜(本書の中では大葉や三つ葉で紹介されていますが、我が家は子供が食べやすい様に乾燥小松菜を戻して使用します)
- 酒
- 醤油(香りづけ用)
- 塩
サワラの炊かず飯の作り方
- 米は硬めに炊いておく
- 青菜は刻んでおく
- サワラは皮を外し、みじん切りにする。ここに酒と塩を加え、味をなじませておく。
- ご飯が炊けたら、炊飯器のご飯にサワラを混ぜ込み、蓋をして3分蒸らす。
- 青菜を加え、さらに1分蒸らす。
これで出来上がり♬
サワラの炊かず飯 写真と解説
それでは、調理開始!
サワラは流水で3秒洗います。雑菌や臭いをとる目的です。
流水で洗ったら、直ぐにペーパータオル等で水気を拭き取ります。上田勝彦さんの言う「流水3秒ルール」です。
包丁で皮をそぎます。今回、皮は捨ててしまいましたが、焼いて、刻んで、ご飯に混ぜても美味しいと思われます。この時に、中骨が無いかも確認しておくと良いです。
火が通りやすくなるように刻んでいきます。小さくしすぎると食感が無くなってしまうので、この写真位が丁度いいと思います。
酒と塩で味付けをします。
ご飯が炊きあがりました。サワラを混ぜ込んでいきます。
はい、混ぜ込みました。この状態で蓋をして3分蒸らします。
小松菜と香りづけの醤油を和えて、さらに1分蒸らします。
サワラの炊かず飯の出来上がりです。
今日は、豚汁と一緒に頂きます。
<実食>
サワラの身が柔らかくて美味しいです。水洗いに併せて、酒、塩もしているのは、調味の理由だけでなく、臭み消しの役割もしていると思われ、非常に合理的です。臭みはまったくありません。蒸らす程度の加熱によって、魚の身から旨みを逃がしていないので、しっかりとサワラの味がしてご飯がすすみます。男の子2人とも、おかわりしていましたよ!
サワラの炊かず飯、美味しかった!
参考にした本
今回のレシピは、上田勝彦さんの『ウエカツの目からウロコの魚料理』からご紹介しました。第5章内の春の料理から1品を、再現したものです。
第1章:サカナ道入門
第2章:魚料理は下処理で決まる!
第3章:魚がおいしい5つのしくみ
第4章:魚の個性いろいろ
第5章:春夏秋冬、この魚のこの逸品
第1~3章で著者の考え方が示されています。レシピ以前に、先ずは『しくみ』を理解しようということ。なぜ焼く、なぜ煮る、なぜ蒸す等、日本人がその道を作ってきた理由と効果が述べられています。
それらを踏まえて、第5章で例としてのレシピが紹介されているという流れです。今回の『サワラの炊かず飯』はこの第5章から紹介しました。魚が好きでは無くても、料理本として、持っておきたい1冊です。
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最後に
今回は『ウエカツの目からウロコの魚料理』より、『サワラの炊かず飯』を実践レビューしました。本書中でも触れられていますが、この炊かず飯はマグロ、イワシ、サケなどのコクのある魚であれば、なんでも使えると思います。魚の新鮮さ・旨みを損なわずに美味しく頂ける料理。必ず試していただきたい調理方法です。是非、お試しください!
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