魚の世界にも美人がいます。サヨリです。
漢字では「細魚」と書きます。
ご覧ください、美しいシルエット。細身で洗練されている。銀白色のその体はキラキラと光を放ち、くっきりとした瞳にキュン死しそうです。もし来世で魚に生まれたら、サヨリ様と付き合ってみたい。
実は、女性の例えに「サヨリの様な人」という表現があります。ご想像の通り、外見が綺麗な人という意味です。体が細く美人なんですね。丁寧に扱わないと壊れてしまいそうな、繊細なイメージでしょうか。女性なら一度は言われてみたいですか!?
しかしこの「サヨリの様な人」には、実は裏の意味も込められているのです。それが分かる写真がコチラっ。
そう。美しい外見からは想像がつかないほど、腹の中は真っ黒なんです。美人だけど、腹黒い。何を考えているんだろう。ちょっと近寄りがたい。。。
喜んでる場合じゃありませんね。
<゜)))彡 <゜)))彡 <゜)))彡
今日はサヨリを頂きます。高級魚ですよ。最近、キログラムあたり3000~4000円付近をウロウロしていたので、手が出なかったのですが、今日は宮城県産の新鮮なサヨリが2600円。これは買いでしょう。30cm程と大きく、十分です。
今回はサヨリ!真剣に向き合います!
基本情報
標準和名:サヨリ
科:サヨリ科
生息域:琉球半島・小笠原を除く北海道南部から九州
旬:3~6月
マメ知識
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多く集まるという「さわより(沢寄り)」が語源と言われている。
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その細い形から、魚関係者の間では、小さいモノを「エンピツ(鉛筆)」、大きいモノ(30cm位)を「カンヌキ(閂)」と呼ぶ。
- 鮮度の良いモノは下あごの長いクチバシの先が赤い色をしている。
- 敵に襲われたり驚いた時に水上に飛び上がるが、その飛距離は数mにも及ぶ。
- 極端に長い下あごはエサを捕獲する際に使われる。
本日の個体
産地:宮城県
体長:29cm(全長31cm)(平均)
重さ:400g(合計)
価格:1040円(1kgあたり2600円)
下あごの長さが特徴です。よ~くみると不思議な顔してますね。
2匹並べて見ましたが、左側の個体はお腹の部分がうっ血してますね。俗に「打ち身」と呼ばれる内出血です。何らかの理由でぶつけてるんですね。キレイな商品を買いたいのであれば、選ばない方が良いでしょう。一般的に打ち身がある商品は値が下がります。(もしかすると「ワタヤケ」という鮮度が悪くなると起こる現象かもしれません)
調理
サヨリを捌く
包丁で体を撫でてウロコを獲ったら、先にこの腹びれをピンセット等で取っておきましょう。この作業、むっちゃ気持ちいです。野菜のカブを土から抜くみたいに、ヒレだけニュルっと取れます。
頭を落とす。
肛門から腹を割る。
ワタ(内臓)を出すと、腹黒です。
血合いと併せ、黒い幕も取り除き、お腹の中をキレイにしました。
3枚に下していきます。サヨリはなぜか、尾の方から大名おろしにすると捌きやすい。尾の方から背骨に沿って身をそいでいきます。
はい。3枚に下しました。
次に腹骨をそぎましょう。
サヨリの刺身(お造り)
皮を引いていきます。尾の方から皮に沿って一旦切り込みを入れたら、
包丁を裏返し、峰を使って、身をはぎ取ります。
サヨリは「木の葉づくり」にしても盛りつけが綺麗です。1尾分の身をこの様に重ねながら等分に切っていきます。
最後に1cmくらいになったら、身を立てます。
それを合わせる「木の葉づくり」です。葉っぱに見えますか?
皿に盛りつけたら、サヨリの刺身(お造り)の完成です。
【実食】
サヨリの刺身の特徴は、旨みの強さと独特の香りでしょう。よく噛んで食べるのがおすすめです。噛めば噛むほど旨みが口の中に広がり、心地良い香りと合わさって、とても美味しいです。
サヨリの卵の煮付け
今回かった5匹中、4匹に卵(真子)が入っておりました。これは酒、味醂、醤油で煮付けて頂きます。
小ネギを振ったら、卵の煮付けの完成です。
【実食】
食感はネットリしています。奥深くに苦みが感じられて、美味しいです。
サヨリの骨せんべい
骨を捨てるの勿体ない。レンジでチンするだけで、骨せんべいに早変わり。ウチでは塩もしませんよ。
適当な大きさに切ったら、耐熱皿にくっつかない様に並べます。
電子レンジ(700w)で6分間加熱したら、骨せんべいの完成です。
【実食】
素朴な味で美味しい。子ども達もボリボリ食べていました。
【関連記事】簡単♬最速♬ ノンフライ【レンジで骨せんべい】鯵(アジ)
サヨリの一夜干し(干物)
お腹に打ち身のあった個体を干物にしていきます。カマスっぽく背開き。お腹の中のブツブツは卵です。
お腹の中をキレイにしたら、水2カップ、塩大さじ2の食塩水に30分間漬け込みます。
一度真水で洗って水けを拭き取ったら、網の上に乗せ、冷蔵庫の中で乾燥させます。
一晩乾燥させたものを焼いたら、一夜干し(焼き)の完成です。
【実食】
美味しい。だけど新鮮なサヨリなら、やっぱり刺身が美味しいと個人的には思いました。
サヨリの皮焼き
サヨリって皮も美味しいんですよ。これも捨てません。
竹串(無かったので割りばし使用)にサヨリの皮を巻き付けて、
炙る。
はい。サワラの皮焼きの出来上がり。美味しいよ。
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最後に
今回は、魅惑の美人「サヨリ」を頂きました。サヨリと言えば、刺身は外せません。独特の旨味がクセになりますね。新鮮なサヨリが手に入ったら、是非お刺身をお試しください。腹黒いと分かっていても、好きになってしまう。そう思います。
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