今回は、サカナの伝道師、上田勝彦さんのレシピを実践レビューします。
上田勝彦さんは、元漁師・元水産庁官僚・大学教授と異色の経歴を持たれています。『魚食の復興』を掲げて、テレビ・ラジオなどのメディアにも度々出演。それだけに留まらず、各地で講演会なども行いながら、ヒトに会って直接語り掛けるということをされている正に伝道師。科学的な視点から料理をとらえられているのが面白いと感心し、私もファンの中の1人です。飾った料理ではなく、根拠があり、実践的な料理。そこに、『魚料理は簡単に出来る』という思いも乗せて繰り出されるトークはテンポが良く、とても楽しく、説得力があります。
そんな上田勝彦さんの本の中から、ずっと気になっていた『塩マグロの和・洋・中』を実際に作ってみましたので、レポートします。
『塩マグロの和・洋・中』の概要
マグロの柵(さく)を塩で締めて、4種類の味で頂きます。4種類とは、基本・和風・洋風・中華風です。生を切り分けて、醤油で頂く「刺身」とは別物です。
調理
それでは、調理開始!
今回使用するのは柵のマグロです。中とろ210gと赤身290gを用意しましたが、これだと大人4人分くらいでしょうか。食べたい分量でどうぞ。
柵をさっと水洗いして、水分を良く拭き取ります。
塩をたっぷりと満遍なくまぶします。
裏面も含めて、塩が全体にまぶされた状態へ。これで10分置きます。
待っている間に、味付け用の調味料を準備しておきます。
10分経過したら、塩を洗い流しましょう。キッチンペーパーなどで水気をしっかり拭き取ると基本の塩マグロの出来上がり。あら不思議。塩をしたことで、柵の表面の水分が抜けて、身が締まりました。
塩マグロの柵に、4種の味付けを施します。こんな感じ。
味付けが終わったら切り分けて、お皿に盛りつけたら出来上がり!左から、基本・和風・洋風・中華風。
味の感想
基本の塩マグロを食べれば、コンセプトが体感して理解できます。塩の味がしっかりしているんです。そう、醤油などなくても、そのまま頂けます。身も締まってしっかりとした食感があり、食べ応えあり。こんなマグロの食感初めてだ。
面白いのは、この4種類がそれぞれに味の特徴があること。同じマグロなのに楽しくて、飽きないんです。洋風はマリネの様な爽やかさ、中華風はゴマ・味噌の風味と白髪ネギで濃い味が楽しめます。薄味→和の風味→濃い味→サッパリなどとそれぞれがそれぞれの色を出して楽しませてくれます。ど・れ・に・し・よ・う・か・な、のワクワク感。
今回は、遊びに来てくれた両親に振舞いましたが、ビジュアルも含めて、とても喜んでもらえました。そして、子供たちもペロリ。ここは肝心なところ。とても美味しく頂きました。
本の推薦
今回のレシピは、上田勝彦さんの『ウエカツの目からウロコの魚料理』からご紹介しました。第5章の中の1品を、忠実に再現したものです。
この本は
第1章 サカナ道入門
第2章 魚料理は下処理で決まる!
第3章 魚がおいしい5つのしくみ
第4章 魚の個性いろいろ
第5章 春夏秋冬、この魚のこの逸品
から構成されており、単なるレシピ本ではありません。そこがこの本の凄いところ。
第1~3章でサカナの伝道師である著者の考え方が示されています。料理方法がどうかという以前に、先ずはその『しくみ』を知りなさいということ。なぜ焼くのか、なぜ煮るのか、なぜ蒸すのか等、普段考えもしない、日本人がその道を作ってきた理由と効果が述べられています。ここがとても勉強になります。
それらを踏まえて、第5章で例としてのレシピが紹介されているという流れです。今回の『塩マグロの和・洋・中』はこの第5章に記載されているものです。魚が好きでは無くても、料理本として、持っておきたい1冊です。是非チェックしてみて下さい。
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まとめ
今回は『ウエカツの目からウロコの魚料理』より、『塩マグロの和・洋・中』を実践レビューしました。マグロは柵で買ってくれば良いので、料理としての手数は多くありません(楽です)。それにも関わらず、ビジュアル良し、エンタメ性良し、そして肝心の味良し、で非の打ちどころがありません。これはお勧めしたい逸品です。おもてなし料理にも最適です!是非、お試しください!
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