今回は、夏が旬の魚「タカベ」をご紹介します。
季節を感じる魚は色々ありますが、その代表がタカベでしょう。タカベが市場に並ぶと「夏だなぁ」という高揚感が込み上げます。期間の限定感も強く、私の様に週末だけ市場に行くような人間だと、出会えたり/出会えなかったりするんです。今年の夏は何度か見かけましたが、高くて高くて手が出なかった💦💦💦(確か、キロ2500円は超えてたな)
そんな夏も終わり、11月末の市場の一角です。
「えっ、タカベ?しかも、安っ!」
見た感じ、鮮度は良さそう。体に張りもある。ってことは、少し旬を外したタカベという事でしょう。
旬のタカベの特徴は、ギトギトの脂なんです。これが醍醐味。塩焼きにするとジューシーで美味しいんです。「塩焼きで一番うまい魚は、タカベ!」という人もいるくらい。
さてさて、興味は旬を外したタカベが美味しいか?にあります。もちろん買いますよ。
今回はタカベ!真剣に向き合います。
タカベの基本情報
標準和名:タカベ
科:タカベ科
生息域:本州中部から九州の太平洋岸
旬:夏
タカベの豆知識
- 日本固有の魚
- 主産地は、伊豆七島、小笠原諸島、紀伊半島など(暖かい海)
- 身は柔らかく、脂の強い魚
- 以前は、蒲鉾の原料に使われていた経緯もある
本日の個体
産地:北海道 根室?(問い合わせ中)
体長:19cm(全長24cm)
重さ:540g(4匹分)
価格:600円(1kgあたり1100円)
尻尾に向かう黄色いラインが特徴ですね。
タカベのレシピ
タカベの捌き方
塩焼きは2種作るので、下処理の仕方を変えます。
先ずはウロコ取り。ウロコは細かく剥ぎやすいので、包丁を使うのが良いです。
次にエラを外す。
塩焼きと煮付けにする個体は、盛り付けた時に裏側になる方の身に包丁を入れます。胸ヒレの下から肛門に向かって、こんな感じ。
真子が出てきました。メスですね。
この切った部分から、腹の中をキレイにします。
タカベの塩焼き(姿焼き)
「じんた式 究極の塩処理」
ネーミングは「津本式 究極の血抜き」のパクリです😓 「究極の血抜き」の立て掛け血抜きをヒントに、立て掛け塩処理を考えました。こんな方法は如何ですか?
お腹の中まで水分を拭き取った魚に
①多めの塩を振る(お腹の中にも)
②箱の中に立て掛ける(もしくはバット)
③30分経過
④大さじ1.5杯分のドリップを回収
一般的に、魚の臭みを取る為に塩処理をしますが、平らな所に置いておくと、染み出たドリップが魚の身に付いてしまうと思います。そこで考えたのがこの方法。魚を立て掛けて置けば、ドリップは下に溜まるので、身に直接触れ続けることがありませんね。
後は飾り包丁をして、焼くだけです。飾り包丁は、身の厚い部分、背骨の上に一本が分かり易くてオススメです。表と裏に、1本ずつ入れましょう。
グリルで焼きます。
はい、これで「タカベの塩焼き」の完成です!付け合せは、大根の葉の炒め物。
いただきます。
塩加減がちょうど良いね。美味しい!
多めの塩振りで下処理をしているので、追加の塩は要りませんね。旬をずらしたタカベってこんな味なんだぁ。脂がギトギトしてなくて程良いんですよ。これは好みが分かれそう。あの脂がキツいという人なら、絶対こちらの方を好むはず。うん、旨い。
タカベの塩焼き(三枚下ろし)
続いては、塩焼きの2パターン目です。三枚下しにして、少し盛り付けにこだわってみましょう。
内臓を傷つけない様に注意して、頭を落としました。立派な白子。これは煮付けて頂きます。
腹の中をキレイにしたタカベを三枚に下していきます。
次に、腹骨を削いだら、中骨を骨抜きで抜きます。網の上において塩をして10分。水分が出たら、キッチンペーパーで良く拭き取ります。
それでは焼いていきますが、見栄えを良くする為に串を打ちましょう。色んなやり方はあるのですが、両端をクルッと巻いて、一本竹串を通します。グリルで表と裏を焼いていきます。
こんな感じで焼けたので、串を回しながら抜くだけです。後は盛り付け。
この様に盛り付けました。串を打って焼くと、華やかになり良いと思います。
タカベの煮付け
次は煮付けです。煮付けって、どのくらい丁寧に行うか?の問題はあるのですが、今回は、湯通し等して、丁寧に作ります。ふっくら仕上げる為には、熱を通し過ぎないのがポイントですね。
切れ目を入れたタカベ。沸騰したお湯で、さっと湯通しします。
冷水に取り、残ったウロコなどの汚れを取り除きます。
以下の工程で終始、煮汁をまわし掛けながらタカベを煮ていきます。
①水:酒=3:1と砂糖、味醂を加えた煮汁で煮る(魚が半分浸かるくらい)。生姜を入れても良い。
②5分程度煮たら、醤油を加える。
③全体で10分くらい加熱出来たら、魚を取り出す。
④煮汁を一気に煮詰めて、魚にまわし掛ける。
煮汁の味を時々見ながら、調味料を加減すると良いですね(特に醤油)。
タカベの煮付けの完成です。
タカベって煮付けでも美味しいね。
タカベの白子・真子(卵)の煮付け
立派な白子と真子だったので、煮付けます。表面の汚れを取ったら、酒・醤油・味醂・生姜の煮汁で煮るだけですね。
味は普通でした(美味しい)。勿体ないので、頂くべきですね。
タカベ の骨せんべい
タカベの骨はさほど硬くありませんので、骨せんべいにします。私がオススメする方法は、「電子レンジでチン」です。これだけで骨せんべいは出来るんですよ。ノンオイルでヘルシー。
硬いヒレをハサミで切って、適当な大きさに並べ耐熱皿に立て掛けます。皿に接する部分を少なくするのがポイント。くっ付かない様にする為です。後は、700wなら6分の加熱。塩は、しても/しなくても良いです。私は、しない派。
はい、出来上がり。ボリボリと召し上がってください。
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まとめ
今回は、夏が旬の魚「タカベ」を晩秋の時節に頂きました。予想通り腹には真子・白子を抱えて、身の脂は夏よりも少なめでした。が、しかし!これはこれで美味しいですよ。新感覚のタカベ。特に脂は少なくて良いという方であれば、1匹150円は買いですよ。今回も、勉強になった!季節の違うタカベの食べ比べ、試してみては如何でしょうか?
ちなみに「沖タカベ」という魚は、タカベとは違う種類です。標準和名は「ウメイロ」です。この魚も旨いんだよなぁ。
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