RO水などについて調べていたら、ダイアフィルトレーションという言葉が出てきたよ!「溶媒を足して高分子から低分子を分ける」とか書いている。難しすぎるよ。
イメージで良ければ説明できるよ。絵を使って解説するね。
今回は、ダイアフィルトレーションについて、図解します。難解な計算式なんかの導入前に、ざっくりイメージだけでも掴んでみては如何でしょうか?
ここでお示しする図はあくまでも説明用のイメージですので、割合等を正確に示したものではありません。その点は、ご了承ください。
それではスタート!
ダイアフィルトレーションとは?
半透膜を使用して高分子成分と低分子成分を分離する膜ろ過の際に、溶媒を加えることでその分離を促進する方法です。
たとえば、原液の中に溶媒に溶けた目的成分と低分子成分があるとします。
ダイアフィルトレーションでは、この原液に溶媒を加えながらろ過を行うことで、溶媒で希釈・同伴させる形で低分子成分を膜から透過させます。これにより目的成分と低分子成分を分離することができます。
バッチ操作をする場合、ろ過中に目的成分が濃縮してくると透過流量は次第に低下します。ここに溶媒を加えることで透過流量を確保できるメリットもあります。英語では”Wash Out(ウォッシュアウト)”操作とも呼ばれ、溶媒で低分子成分を洗い流すイメージです。
次の項で詳しく説明しますが、膜ろ過とダイアフィルトレーション前後でどの様な状態になるかを先にお示しします。
分ける前
分けた後
前後を比較すると、製品と不純物がきれいに分かれているね。どういうことか説明するよ。
ダイアフィルトレーション イメージ図解
上の説明では難しく感じたかもしれませんので、絵を用いてザックリと説明します。水に溶けた【製品】の中からダイアフィルトレーションによって、【製品】よりも低分子量の【不純物】を取り除く様子をご覧いただきます。低分子【不純物】は膜を通過し、【製品】は膜で保持されるケースです。
▼タンクの中の水に溶けた【製品】と【不純物】があると仮定してください。図のように元タンクの中に水に溶けた【製品】と【不純物】が存在します。
▼ポンプを動かしてろ過を始めました。【不純物】と水は膜を通過して、下流側にある透過液タンクに移動します。【製品】は保持されるので、循環して元のタンクに戻ります。
▼ろ過後の状態です。元タンクから水と【不純物】の一部が透過液タンクに移りました。結果、【製品】は濃縮されています。しかし皆さん、元タンクに注目すると【不純物】の濃度は、ろ過前とろ過後で大きく変化が無いことにお気付きでしょうか?もちろん【不純物】は透過液タンクに移動しているのですが、どれだけろ過しても、このままでは液に拡散している不純物は残ってしまうのです。
▼そこで行う操作がダイアフィルトレーションです。溶媒、すなわちここでは水を新たに加えていきます!水を加えながらろ過を続けていきましょう。新たに加えられた水により希釈されながら、残った【不純物】が透過液タンクに抜けていきます。加水量が多ければ多いほど、元タンク中の【不純物】濃度は低くなります。
▼ダイアフィルトレーションが終了しました。御覧の通り【製品】と【不純物】を分けることが出来ましたね。厳密に言えば、【不純物】は水で無限に希釈されるので、完全に濃度ゼロとはなりません。この【不純物】をどの濃度まで減らしたいかによって、ダイヤフィルトレーションで加える水の量を調整する形となるでしょう。
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まとめ
今回は、膜ろ過を調べると遭遇するワード『ダイアフィルトレーション』とは何か?を図を用いて説明しました。このイメージをもって、次の難題に挑んでください!
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